高市首相が白紙委任を求めた、国論を二分する政策とはいったい何か。それほど難しくない問いに既存メディアを含む多くの答えがネット上に踊っている。
最もポピュラーな推理は憲法改正であり、自衛隊存在の明確化であり、スパイ防止法であり、皇室典範改正であり、外国人差別法の整備などだろう。
どれを見ても極右が改悪に向けてしゃかりきになるなるであろうイシューばかりである。
多くの推論の中で刺激的なのは、内田樹氏が指摘した「核武装挑戦論」だろう。
日本が核武装をするには、実現がほぼ不可能と考えられるほどの高いハードルがある。おそらく最大のものは「宗主国」アメリカを含む国際世論の反発である。
次いで開発費また維持運営費が膨大であること。
国際世論に匹敵する大きな壁もある。唯一の被爆国である日本国民の、核への強いアレルギー&絶対反対論である。
日本核武装論は、日本極右の主上アメリカが、自らの利益のために日本を核武装させるというものである。それはアメリカの国際政治・外交専門誌 「Foreign Affairs」に掲載された論文が元になっている。
世界情勢とアメリカの立ち位置、また経済利益を最優先に政策を練るトランプ主義の実相を論理的に分析して、日本の核武装の可能性を説いたもので説得力が極めて高い。
トランプ大統領を含む米保守層の一部に、日本を核武装させようという考えがあるのは周知の事実だ。そこにもある程度の説得力がある。
今はあくまでも少数派だが、トランプ以後もトランプ主義がアメリカを席巻するようなら、もっと現実味を帯びていく可能性がある。
だが、そうならない可能性も高い。
なぜならアメリカのリベラル主流派は、日本に核武装をさせるのはナントカに刃物と同じ、という強い警戒感を抱いている。
第2次大戦を主舞台に激情に駆られて我を忘れ、殺戮と破壊の限りを尽くした暴虐狂気の日本人の姿を、彼らは決して忘れていない。
その陰鬱なイメージにつながるのが、戦争を総括することなく、従って日本人自身の狂気の意味も原因も知らない日本軍国主義者、あるいは歴史修正主義者の群れだ。
言葉を換えれば、高市首相から安倍元総理、さらにはその祖父の岸信介戦犯首相らの系譜へと遡る「激昂する極右」の精神の集合体が、依然として跳梁跋扈している。
そして過去を見つめようとしない彼らは、必ず過去の過ちを繰り返す。だから日本の核武装などもってのほか、というのがアメリカの半分の知性群の判断である。
ところが高市首相と政権を支える極右モメンタムは、歴史修正主義史観にまみれたままで総選挙を戦い、地滑り的勝利を収めると予測されている。
選挙結果が予測どおりになるならば、日本核武装論はあるいはトランプ主義の強いバックアップを受けて、前のめりになる可能性も否定できない。
憂鬱極まりない事態なのである。



















