イタリア、モンティ首相の日本訪問は予想以上に成果があったのではないか。
日本との経済協力関係強化とか友好関係の強化とかいうことではなくて、前首相ベルルスコーニがまき散らしたイタリアの負のイメージの払拭(ふっしょく)という意味で。
欧州連合の信奉者で優れた経済学者でもあるモンティ首相率いる現政権は、ドイツ並みの固さと精密と実直で、ゆるみ切ったイタリア財政の改革を進めていて欧州各国から高い評価を受けている。
その政策は首相の人となりとも重なる。
今回の日本訪問では、モンティ首相の真面目で実直で落ち着いた物腰や考え方が、NHKのインタビューなどを通して日本国民に知れ渡ったように見える。
日伊の友好や経済関係は、今さら強化するまでもなく良好なものだと思う。
それでも
前首相ベルルスコーニが、いい加減で不誠実な言動や少女買春容疑などで不評を買い、イタリアのイメージを大きく損ねたことは否めない。
その前首相の失点を、モンティ首相が今回の日本訪問である程度回復したように見えるのは嬉しい限りである。
第二の母国とも言えるほどに長く住んでいるこの国を、僕は故国日本に対するのと同じように時には批判もし怒ったりもするが、日本と同様に深く愛している。だから、イタリアが外から悪く見られるのは悲しい。
ましてやそれが日本からの批判や罵倒だったりすると、悲しいを通り越してほとんどつらい思いさえする。
だから、
スーパーマリオ、すなわち仕事師マリオ・モンティ首相バンザイ、という心境なのである。
ただ、
ここまで話したことと完全に矛盾するようだが、真面目で堅物でどちらかというとドイツ人的なモンティ首相を見ていると、ベルルスコーニさんが懐かしく見えたりもするから、おかしなものである。
以前の記事<スケベで嘘つきで怠け者のイタリア人?>でも書いたように、僕は明るくていい加減で遊び好きなイタリア人が好きなので、堅苦しいだけの人を見るとちょっとつらい。
からかったり茶化したくなって、しまいには避けたくなる。
それはきっと、自分がいい加減でノーテンキな人間だからに違いない・・