
ハロウィンを祝いに渋谷に来るな、と警察が呼びかけている日本発のニュースを見てタメ息をついた。
なぜ無意味に大騒ぎをするのだろう。祭りだから、と言えばそれまでだが。。
ハロウィンは3日間に渡るキリスト教の祝祭の口火を切る祭りである。
つまり10月31日の「ハロウィン」、翌11月1日の「諸聖人の日」、11月2日の「死者の日」のことである。
ハロウィンには「諸聖人の日の前夜」という含みもある。
3つの祭りは“全ての”キリスト教徒ではなく、“多くのキリスト教徒“にとっての、ひとかたまりの祭りだ。
次の理由による。
ハロウィンは元々キリスト教の祝祭ではなく古代ケルト人の祭り。それがキリスト教に取り込まれた。カトリック教会では今もハロウィンを宗教儀式とは考えない。
一方、米英をはじめとする英語圏の国々では「ハロウィン」は重要な宗教儀式である。プロテスタントだからだ。
プロテスタントは聖人を認めない。だからハロウィンの次の緒聖人の日を祝うこともない。
ところが「死者の日」はプロテスタントも祝う。カトリックを批判して宗教改革を進めたマルティン・ルターが祭りを否定しなかったからである。
つまりひとことで言えば、ハロウィンはキリスト教のうちでもプロテスタントが主に祝う。諸聖人の日はカトリック教徒が重視する。死者の日はいま触れたように両宗派が祝う。
既述のようにハロウィンは、キリスト教本来の祭りではないためカトリック教会はこれを認知しない。
だが最近は、ケルト族発祥のハロウィンを遅ればせながらイタリアでも祝う人が多くなった。
そうではあるが、渋谷で見るような異様な騒ぎはここでは間違っても起こらない。まがりなりにも宗教イベントだからだ。意味もなく集団で騒ぐ風習は日本独特のものなのである。
それは少し不気味な感じがしないでもない。