【テレビ屋】なかそね則のイタリア通信

方程式【もしかして(日本+イタリ ア)÷2=理想郷?】の解読法を探しています。

2026年09月

日本のフェミサイドは秘匿されている

フェミサイド②

イタリアは昨年、フェミサイド(女性殺害)犯が有罪となった場合は、有無を言わさず最重刑の終身刑に処すると決めた。

その理由は、イタリアにはフェミサイドが日本と比べて多いからではないのか、という問い合わせがあったので書いておくことにした。

結論を先に言えば、日本のフェミサイド数はイタリアよりも多い。日本のそれが少なく見えるのは、フェミサイドが可視化されていないからだ。

日本の全体の殺人件数は欧米に比べて低いが、女性が被害者になる割合は多い。フェミサイドは公式な統計項目がないため、実態が潜在化しているに過ぎない。

一方イタリアのフェミサイドは社会的な注目度が高く、法的定義も進んで被害者の人数も毎年明らかになる。

欧州の主要国に限って言えば、イタリアのフェミサイドの発生率は英独仏より低く、スペインと同程度である。突出して多いということはない。

ただイタリアにはフェミサイドを軽視する特殊な文化がある。フェミサイドを痴話喧嘩の成れの果て、と見做してしまう傾向が強いのだ。

そんな愚劣な考え方への強い反発などもあって、フェミサイド犯は否応なしに終身刑、という画期的な法律ができた。

日本はイタリアを見習ったほうがいい。

フェミサイドが見えにくい環境を是正して、制度的な可視化を大急ぎで進めるべきだ。

フェミサイドも結局は、男尊女卑という旧態依然とした病理が導く悲劇である。



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NHKは優秀だが、報道が足を引っ張って世界の3流に堕する

沖縄タイムス記事

沖縄タイムスは2025年12月2日、「沖縄の米兵犯罪報道延期。NHKが高市政権に忖度」という記事を一面トップで伝えた。

記事によれば、沖縄で民間人が被害に遭った性犯罪容疑事件は2024年までの20年間に14件起きていた。だが、日本側では明らかになっていなかった。

NHKは独自取材によってその“埋もれた事件”を突き止め、昨年1022日に放送する予定だった。

ところが、前日の1021日に高市早苗政権が発足する見通しが強まったために、NHK上層部の判断で放送延期が決まり、2週間後の115日に放送された。

こうした上層部の判断に対して、NHKの放送現場からは抗議の声が上がった。

BBCを間近に見続け、米PBSと仕事をし、NHKとはさらに多くの仕事をし見続けてもいる僕は、NHKBBCにも匹敵する放送局だと評価している。

だが残念ながら政治報道は三流以下だ。NHKニュースの政権への忖度は度が過ぎる。言語道断だ。

特に沖縄にまつわる政府の政策を指弾するどころか、斟酌三昧であるところは悲惨だ。見苦しい。

沖縄の民意を無視して辺野古に始まる横暴を繰り返したのは安倍元首相である。

国土の1%にも満たない小さな沖縄には、日本国全体の安全保障を担う米軍基地が全体のおよそ70%以上置かれ、地元は基地被害に苦しんでいる。

それは余りにも不公平だ。負担を減らして欲しいという沖縄のまっとうな訴えは、安全保障の意味も民主主義の精神もあずかり知らない国民の無関心によって、ひたすら否定される。

それはまたネトウヨヘイト系差別主義者らの「沖縄は補償金欲しさに基地反対を叫んでいる」という偽りの誹謗中傷まで呼んで、沖縄はいよいよ貶められ侮辱され続けている。

国民の気分を熟知している政府はそれを巧みに利用して、口先だけの基地負担軽減を言いながら、イスラエルによるガザ弾圧よろしく、辺野古を、沖縄を蹂躙している。

いわゆる構造的沖縄差別である。

高市政権に忖度して米兵犯罪報道を延期したNHKは、報道者として失格であるのみならず、構造的沖縄差別に加担する未開国の公共放送然として見える。



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ICCはトランプ訴追を全力で検討したほうがいい

akane vs trump656

トランプ政権は8月18日、ICC(国際刑事裁判所)の赤根智子所長ほかの幹部に制裁を科した。アメリカ国内の資産が凍結され、アメリカ企業や個人との取引が禁じられた。

制裁の背景には、ICC自体の解体をめざすトランプ政権の執拗な計略がある。

ICCは国連の機関ではなく、「ローマ規程」という多国間条約に基づいて設立された独立の常設裁判所である

そのためアメリカがいかに強力に「解体」を求めて圧力をかけたとしても、120余の加盟国がゼロになるか、大多数の加盟国が同意しない限り、組織そのものを法的に消滅させることは難しい。

それでもトランプ大統領のICC攻撃は時間と共に激しくなるだろう。なぜなら彼は任期を終えた時の政敵の復讐を怖れている。

だから大統領の任期が終わる前に、ICCを機能不全になるまで弱体化させようと画策していると見られる。

それがルビオ国務長官を介して明言された、トランプ大統領によるICC解体宣言の真相だ。

トランプ大統領とICCの対立は、第1次政権から始まり、第2次政権において激化した。

ICC2020年、アフガニスタンにおける米軍やCIAなどの戦争犯罪容疑の捜査を正式に認めた。

トランプ政権はこれに猛反発。当時の主任検察官らに対して資産凍結や渡航禁止などの制裁を科した。

また202411月にはイスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を発付。それに対してトランプ大統領は、ICC職員への広範な制裁を認める大統領令で反発した。

そして直近の20268月、トランプ政権はICCの赤根智子所長と複数の幹部に、資産凍結や渡航禁止の制裁を科した。

アメリカはICCへの制裁と同時に、日本などの同盟国に対しICCへの支援を打ち切る」ことを期待する、とも明言している。

同盟国は「米国との友誼」と「(国際)法の支配」のバランスをどう保つか、という難問を突き付けられている。

高市首相は同胞の赤根智子所長を切り捨てて、今回もぴょんぴょん飛び跳ねながらトランプ大統領の腕にしがみつき媚びを売るのだろうか。それをすれば彼女は今度こそ万死に値する。

ICCの規定では加盟国の領土内で犯罪が起きた場合、犯人が非加盟国の国民であっても、ICCはその人物に対して管轄権を行使できる。

例えばベネズエラは2000年に加盟し、2026年にトランプ政権の圧力に屈して脱退を通告しているものの、マドゥーロ大統領拉致と住民虐殺をICCが深刻な国際犯罪と見做せば、トランプ大統領は訴追の対象になり得る。

ICC加盟国のパレスチナ領内で悪行を働いたとして、非加盟国であるイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状が出たケースや、プーチン大統領のウクライナでの児童誘拐に対する逮捕状発付と同じ理屈だ。

トランプ大統領は一貫して、非加盟国であるアメリカの国民に対し、ICCが管轄権を強制することは国際法上認められないと強弁している。

それはあたかも泥棒が、「俺は盗みという罪を認めない。従って俺の盗み(の罪)は存在しない」と言うようなものだ。

まことにもってトランプ“唯我独尊やりたい放題”大統領らしい、コペルニクス的転回の詭弁論法ではないか。

国際社会においては「重大な人道犯罪の場合、国家元首であっても免責されない(不処罰の解消)」というのが歴史的な認識であり解釈である。それはICCのミッションでもある

トランプ大統領は既述のように将来自身が復讐されること、つまり司法追及を怖れている。それ故に彼はICCによる逮捕状発付の可能性」に何よりも激しく反発する。

赤根智子所長ら幹部への資産凍結や渡航禁止は、「もし米国の大統領や同盟国の指導者に逮捕状を出せば、ICCという組織そのものを破滅させる」という強い威嚇だ

加盟国の領土を攻撃した容疑であれば、非加盟国の元首であってもプーチン大統領らと同様に逮捕状の対象になる。

ICCはベネズエラのケース以外にも切れるカードを持っている。2020年のアフガニスタンの案件を蒸し返して、トランプ大統領と対峙するのだ。究極には彼に逮捕状を発付する。

だからこそトランプ大統領は、その「万が一の可能性あるいは法的リスク」を完全に摘み取るために、ICCへの攻撃を激化させていると見ることもできる

トランプ大統領は例によって強い強迫観念、あるいは彼十八番の狂気理論に基づく計算に突き動かされて暴走しているらしい。見ていてひどく鬱陶しい。先行きが憂慮される。

ICCは彼を絶対的に牽制するためにも、逮捕状の発付を含む強烈な対抗策を速やかに編み出すほうがいい。



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