ブログ記事は最低でも一日一本の割合で書こう、と意気込んで始めたが、中々思い通りにはいかない。
ドキュメンタリーのリサーチのかたわら、知人のプロダクションを手伝ったり、別口でコンサルタントとして動いたり、はたまた自家のワイナリーの仕事もあったりして猛烈に忙しい。そこに慈善コンサートの準備も加わったからなおさら。
できるだけ早くリサーチとワイナリーの仕事だけにしぼって行くつもりである。それでなければ、せっかくフリーになって時間に余裕ができたはずなのに、忙しさばかりがつのってどうにもならない。
でもブログは頑張って最初の目標を目指していくつもり。
それはさておき
以前、日本のオヤジ世代にはスパゲティをパスタと言うと怒る者がいると聞いた。それはきっとパスタという言葉に、気取りや若者言葉のような軽さを感じて反発するからではないかと思う。
僕もれっきとしたオヤジで、しかも言葉が気になる類の人間だから、日本に住んでいたら「パスタ」という新語(?)には彼らのように反感を抱いていたかもしれない。
ところがイタリアに住んでいるおかげで、日本における「パスタ」という言葉の普及には腹を立てるどころか、少し大げさに言えば、むしろ快哉(かいさい)を叫んでいる。
「パスタ」とは、たとえて言えば「ごはん」というような言葉である。麺類をまとめて言い表す単語だ。スパゲティを気取って言っている表現ではないのだ。
スパゲティは多彩なパスタ(麺)料理のうちの一つである。つまり、焼き飯、かま飯、炊き込みご飯、雑炊、赤飯、茶漬け、おにぎりなどなど・・、無数にある「ごはん」料理の一つと同じようなものだ。
焼き飯や雑炊を「ごはん」とは言わないが、イタリアでは個別のパスタ料理を一様に「パスタ」と呼ぶ習慣もある。スパゲティも日常生活の中では、単にパスタと呼ばれる割合の方が高いように思う。
従ってスパゲティを「パスタ」と呼ぶのは正しい。
僕はここで言葉のうんちくを傾けて得意になろうとしているのではもちろんない。
おいしくて楽しくて種類が豊富なイタリア料理の王様「パスタ」を、スパゲティだけに限定しないで、多彩に、かろやかに、おおいに味わってほしいという願いを込めて、日本中の傷つきやすいわがオヤジ仲間の皆さんに、エールを送ろうと思うのである。