ブログ記事を一日一本の割合で書くというのは無理があると分かった。きのうは時間がなくて書けず、早くもノルマを果たせなかった。書ける日に何本でも書く、というのが妥当な考え方だろう。その方が現実的だし長続きもしそうだ。今後はその方針で行こうと思う。
閑話休題
世界中のメディアが同じような動きをしているが、イタリア民放局の最大手、5チャンネルの今朝(4月12日)の報道番組「トップ・ページ」にも、福島原発の話題が復活してしまった。しかも「トップ・ページ」のうちのトップニュースとして。
現在イタリアでは中東危機による難民流入が大きな問題になっていて、連日そのニュースが矢継ぎ早に報道されている。そんな中で久しぶりに東日本大震災関連の情報が、あらゆるニュースに優先して電波に乗ったわけである。これはもちろん、福島原発事故が、原子力史上最悪のチェルノブイリ原発事故に匹敵するレベル7に引き上げられたことが原因である。
僕は3月30日の記事「東日本大震災でイタリアも揺れているⅥ」で、原発問題が再び5チャンネルの「トップ・ページ」で取り上げられるのが気がかりだと書いたが、早くもそうなってしまった。
放射能汚染がこれ以上進まないことを祈りつつ、政府と東京電力が正確な情報を国内はもちろん、国外に向けても発信するように強く求めたい。世界中が固唾を呑んで福島原発を見つめているのは周知のことだと思うが、日本政府がいつになっても「ただちに健康被害は起こさない」と言いつづけ、事故がレベル7に引き上げられても「チェルノブイリと違って直接的な健康被害はない」と言う神経は、正確な情報という観点からはとても信用できるものとは言いがたい。
「ただちに健康被害は起こさない」とは、将来は健康被害が起こるということかもしれないし、「チェルノブイリと違って直接的な健康被害はない」というのも、現在進行形の原発事故の前では空しい言葉だ。先のことは分からないのだから、嘘と言われても仕方がないのではないか。
原子力安全・保安院が、福島原発事故をスリーマイル島原発事故と同じレベル5と評価発表した時から、世界の多くの専門家は日本政府が事故を実際よりも小さく見せようとしているのではないか、と疑い始めた。
というのも、スリーマイル島原発事故は一週間程度で収束したのに、福島の事故は原子力安全・保安院がレベル5と評価した一週間後の当時も、全く収束する気配は見られず現在進行形だった。従って、その時点で世界は、スリーマイル島原発事故よりも深刻、と考えたのである。
その後の日本政府や東京電力の情報開示に対しても、海外世論は少なからず疑問を抱きつつ今日まで来た、という雰囲気がある。そんな中で事故が最悪のレベル7まで引き上げられてしまったのだから、政府や東京電力は希望的観測に基づいた情報とさえ受け取られかねない発表をやめて、正確な情報を逐一きちんと開示して真摯に世界と向き合うべきである。
それでなけば、これまで日本に向けられていた世界中の好意が逆の方向に動きかねない。いや、わずかだがもうそういう気分が生まれつつあるようにも見える。
何よりも福島原発事故を収束させることが第一義であることは言うまでもないが、世界への説明を忘れて、あるいは軽視してゴマカシと受け取られかねない動きをすれば、日本政府への批判が沸き起こって国民が巻き込まれ、ついには苦しんでいる被災者の皆さんまでが肩身の狭い思いをしなければならないような、とんでもない事態がやって来ないとも限らない・・
まさかとは思うけれど・・・