村(コムーネ)主催の一大イベントFranciacorta in Fiore(フランチャコルタの花祭り)の会場になっているわが家は、数日来火事場のような騒ぎになっている。準備や会場設定などが忙しく進められ、記者会見や立食パーティーが開かれるなど、人の出入りが激しい。この騒ぎが落ち着くのは例年祭りの数日後、恐らく5月18~19日頃。

 


そうした中、東日本大震災支援コンサートの準備も着々と進んでいる。会場になる自宅の僕ら夫婦と、慈善団体のマトグロッソ、さらに田中・横田両嬢が中心になって立ち上げた、ミラノの震災支援グループl’Isola della speranza(希望の島)
が密に連絡を取り合って、5月29日を目指している。

 


コンサートの出演者は有名ギタリストのエマヌエレ・セグレさんと今ぐんぐん勢いを増しているピアニストの吉川隆弘さん。二人はデュオにも積極的にトライし、ポピュラーな曲なども演奏してくれる由。素人の僕らの勝手な要求を快く受けてくれてとても嬉しい。コンサートは間違いなく素晴らしいものになると思う。

 


僕は当初、去年の演奏会にこだわって3~4種類の楽器の共演を画策していたが、フルート奏者で友人のマウリツィオ・シメオリは、多くの楽器のコラボは盛り付けの多すぎる料理のようになって失敗する可能性が高い。だからピアノとギターならちょうどいい、という強い意見だった。従って、そこに落ち着いたことにも僕はほっとしたり、喜んだりしている。

 


コンサートには在ミラノ総領事の城守茂美さんが来てくださることも決まった。ミラノの友人たちがイタリア語での挨拶をお願いできないかと交渉しているところ。

 


日本レストランの「ぽぽろ屋」さんから、握り寿司の提供も受けることが決まった。またマトグロッソのブルーノは、生ハムやサラミなどに加えてローストビーフも出してくれるという。そうなると、シャンパンも加わったコンサート後の飲食は最早「軽食」ではなく、「夕食」あるいは「食事」として喧伝することもできるかもしれない。
 


例年自宅で開かれるマトグロッソ主催の慈善コンサートは、
150人前後の集客を目指すことが多い。自宅中庭で行う場合は、最大200人程度の聴衆が入れると思うが、200人の客を集めるためには、最低でも千通ほどの招待状を送らなければならないだろう。大仕事である。ノウハウを持っている彼らは、もう少し効率良く客を集めるが、それでも150人程度を目標にイベントを開催する。

 


今回はミラノの友人らが参加する分を上乗せして、200人程度の聴衆を集めたい。雨が降らなければそれくらいは何とかなるのではないか、と考えているがどうなるか。こればかりはフタを開けてみなければ分からない。ハラハラドキドキという気分である。

 


雨天なら130~
150人程度が来てくれれば御(おん)の字。大成功だった昨年のコンサートは実は雨のために集客率が悪く、
120人程度に留(とど)まった。しかし場所を屋内に移しての演奏だったから、逆に聴衆の数が多くなり過ぎると困ることになる。このあたりの成り行きも悩ましいのが、屋外でのチャリティーコンサートである。