9月5日深夜、シチリア島「ほぼ一周」旅行から帰還。
友人夫婦との旅はある時は楽しく、ある時は少し疲れたりもする日々だったが、おおむね良好。やって良かった、と思えるものだった。
シチリア島は「いつものように」玉石混交(ぎょくせきこんこう)の不思議の国。輝くものと暗く沈んだものがいっしょくたになって、僕の心をわしづかみにしてくれた。
そのことはまた書くとして
明日はベニス近くのビチェンツァで妻の幼馴染みの結婚式に出席する予定。その日のうちに湖の伯爵家に戻って、11日の日曜日には家の背後に広がる山中の別荘「Razone(ラゾーネ)」へ。
→<ノブレス・オブリージュ>
そこでは三つの団体が共同で催すチャリティ昼食会がある。供されるのはスピエドと呼ばれる北イタリア、ブレッシャ県地方の郷土料理。
元々はジビエ、つまり狩猟肉の串焼きだった野趣あふれる味覚で、ポレンタと称されるトウモロコシを潰して練った餅のようなパスタと共に食べる。赤ワインとの相性が絶妙な料理である。
調理をするのは山育ちのスピエド専門家たち。彼らの全員もチャリティ3団体の一員。南米支援グループとチェルノブイリ及びベラルーシ支援団体、それにガルダ湖+山岳救護ボランティア隊の3団体である。
人口が3000人にも満たない伯爵家の地元の町には、そうしたボランティア組織が何と17団体も存在する。
当日は東日本大震災から半年の節目の日。僕はそのことをしっかりと念頭に置きながら、善意の人々とのチャリティ活動に臨もうと思う。
大震災の被災地の皆さんの苦労はまだまだ続いている。何かの折にまた心ばかりの支援活動でもできればと思うが、今のところは少し厳しいだろう。
豊かな日本の被災地の復興は必ず訪れる。ところが世界には、復興など永遠にあり得ないであろう不運な人々が溢れている。
彼らに思いをはせることは、日本の被災地を思い続けることと同様に、重要な行為であるように僕には感じられる・・。