ギリシャは一体どこに行こうとしているのだろう・・
せっかくEU(ヨーロッパ連合)が大規模な財政支援策を申し出たのに、それを受け入れるか否かを国民投票によって決めるという。
簡単に言うとこういうことだ。
ギリシャという借金漬けの家庭に融資話が舞い込んだ。その条件はこれまでの野放図な浪費をやめて節約に徹底すること、といういわば当たり前の要請。
有り難い話と泣いて喜ぶかと思うと、一家の大黒柱である同国のパパンドレウ首相は、援助を受け入れるかどうか家族全員の意向を聞いて決める、と国民投票の実施を世界に向かって発表してしまった。
ギリシャ国民の6割以上は、政府の財政緊縮策に反対している。従って今の状況で国民投票を行えば、EUの支援策が否決される可能生が高い。
それはギリシャがEUから離脱すると同時に財政破綻に陥ることを意味する。
そうなると、ギリシャに金を貸している(ギリシャ国債などを大量に買っている)国々や金融機関に大損失が生じ、世界経済はパニックになって一段と悪化する。
それはたちまちイタリアやポルトガルやスペインなどの経済にも激震を起こし、下手をすると3国も破綻。ヨーロッパどころか世界中がさらなる不況に陥って大混乱が続く・・
という飛んでもないシナリオがにわかに現実味を帯びてきたのだ。
ギリシャのパパンドレウ首相は、カンヌで行われているG20に呼び出され、独仏を中心とする国々から国民投票を撤回するようにとの圧力を受けた。
そして現在は自国に戻って、EU支援策の拒否は即座に同経済圏からの離脱を意味するから国民投票ではイエスと言ってほしい、とギリシャ国会での演説を通して国民に呼びかけているらしい。
同時に世界中のメディアは、パパンドレウ首相の辞任説や国民投票案の撤回、といったニュースを配信したかと思うと、すぐにそれらを否定するなど、激しい混乱がつづいている。
僕は例によってBBCやアルジャジーラやCNN、さらにネットなどの緊迫した報道を逐一追いかけながら、ちょっとノーテンキなことも考えたりする。
つまり、ギリシャがEUから離脱して、旧通貨のドラクマに戻れば、多分あまり価値の無い通貨だから、今後のギリシャ旅行が格安になるに違いない・・などと。
でも、それもこれもここイタリアの経済が健全だった場合の話。
今のままではイタリアもギリシャと共に沈没しかねない。
ホントに怖い話が現在進行中なのだ・・