カダフィ大佐の次男、セイフ・アル・イスラムが拘束された。リビア南部の砂漠地帯を逃走中だった。

 

彼はカダフィ大佐の後継者と目されていた。

 

かつてはリビアの民主化を支持する、と公けに話したりしたこともあったが、リビア危機に際しては豹変。

民衆を激しく弾圧する側に回った。

 

拘束された際、彼は「頭を撃って殺してくれ」と敵兵士に哀願したが、聞き入れられなかった、という情報もある。

 

自殺を禁じられているイスラム教徒の彼もやはり、父親のカダフィ大佐や他の兄弟たちのように自決を選ぶことはしなかった。

 

セイフ・アル・イスラムには、ICC(国際刑事裁判所)から人道に反する罪で逮捕状が出ている。

 

ICCは彼の身柄の引き渡しを要求すると見られるが、リビアの国民評議会は国内での裁判を目指している。ICCの要求には応じないだろう。

 

リビア国内で裁かれた場合、彼は死刑判決を受ける可能性がある。

 

その際は、ICCで裁判を受ける場合とは違って、カダフィ独裁政権と国際テロとの関わりや今回のリビア危機での弾圧のいきさつなど、重要な案件はあまり明らかにされることはないだろう。

なぜなら、多分彼は割と早い時期に処刑されてしまうのではないか。

 

恐らくリビアの民衆がそれを要求するように思える。

 

彼の拘束を知って、ニジェールとアルジェリアに逃亡中の残りのカダフィ一族は、あらたな恐怖にさいなまれているに違いない。

→<独裁家族の金の行方><独裁家族の肖像

 

仕方のないこととはいえ、彼らの心中を察して哀れを感じるのは僕だけだろうか・・