去った3月8日は、イタリア人がミモザの花を女性に贈りあるいは贈られて華やぐ「女性の日」。
当日なぜミモザが主役になるのかというと、それが木に咲く花(草ではなく)としては春一番だから、という程度の意味らしい。
確かに、冬から春に向かう寒い時期にも見られる草花というものはあるが、初春に木の枝に咲く花、というのはミモザあたりが先ず思い浮かぶ。
他にもあるのかも知れないが、鮮やかな黄色が目にまぶしいミモザがやっぱり一番目立つようだ。
日本で言えば梅の花とでもいうところか。
もっともミモザは、梅の花の楚々としたたたずまいに比べると、華やかな雰囲気が少し勝るように思うが。
ミモザが表舞台から姿を消すと、同じ黄色のレンギョウの花がそこら中に咲き乱れる。
レンギョウも木に咲く花。今が盛りでミモザよりももっと色鮮やかである。
僕の仕事場から見下ろすブドウ園の周囲の壁際にも、そこかしこにレンギョウの黄色い花の盛り上がりが立っている。
花の季節の先陣を切ってミモザが咲き誇り、つづいてレンギョウが花開くと、堰を切ったように多くの草花が咲き競う、春爛漫。そのスタートダッシュの時が今なのである。
去った日曜日には友人宅で早咲きのソメイヨシノも見物した。
イタリアも今年の冬は寒かったので、桜の開花は遅れると思い込んでいて花見の期待はしなかったのだが、3月半ば過ぎから勢いよく春めいて、早咲きの桜はもう満開。
いつもながら、イタリアの季節の変化は急激で、めりはりがきいていて面白い。