6月になっても、北イタリアには初夏どころか、春もまだ訪れない。
気温はさすがに冬ではないのだから、春はやって来ているのだが、ほぼ連日雨で朝晩は肌寒い。
寒い日も多い。
初夏は明らかにまだ訪れていない。
荒々しい気候変化がイタリアの季節の特徴だから、初夏はもうやって来ることはなく、やがて一気に盛夏になるのだろう。
それは今月中旬というのが気象予報。
そこでは盛夏が訪れるとは言わず、雨模様の天気が終わる、と表現されている。雨天が消えると同時に日差しがカッと照りつけるようになるのだろう。
それにしてもこれだけ雨が降れば農作物にも悪影響があるのではないか。作物の根が腐ったり・・
そう思いたくなるほどの異常な雨降りがつづいているのだ。
農家に聞いてみたら、雨はいくら降っても良いのだという。雨降りが気温の低下をもたらしていて、それが悪なのだそうだ。
気温が低いために作物の成長が阻害される・・なるほど、そう言われてみれば、僕の菜園の野菜たちの育ちも遅い。
芽を出してはみたが、寒いので毎日毎日身をすくめている、という感じ。
そして、再びそう言われてみれば、激しい雨が降った後でも、少し日が差すと土の表面は一気に乾燥する。
やはりこの国の空気は、日本とは比べ物にならないくらいに乾いているのだ、と実感する。
それは少し嬉しいことである。