日本VSギリシャは0-0の引き分け。

ギリシャは前半38分、カツラニスが 2枚目のイエローカードで退場。10人で引き分けに持ち込んだ。

負ければ絶望的な状況になるところだったから、この引き分けはギリシャにとっては勝利と同じ程度の価値がある。

逆に日本にとってはほぼ敗戦にも等しい痛い引き分けだ。

崖っぷちに立たされた日本は、決勝トーナメント進出のためには次のコロンビア戦で必ず勝って、同組のギリシャVSコートジボアール戦の結果を待つしかない。

日本の行く手は厳しい。ほぼ絶望的と言っても良いほどに勝ち抜ける可能性は低い。だが、少なくとも可能性はまだ残されている。

ところが王者スペインは、日本と同じく2試合を戦って既に予選敗退が決まった。

ビッグチームではイングランドも2連敗を喫して風前の灯状態。1敗1分の日本よりも厳しいかも知れない。

だが、スペインもイングランドもハイレベルの試合をしての2連敗だ。

一方日本チームは、本田の素晴らしい一撃で先行しながら、まるで蛇ににらまれた蛙よろしくドログバにびびりまくって、あっさりと2ゴールを許して負けた初戦、

また

レッドカード一枚で10人になったギリシャと引き分けた第2戦、

と、ともに退屈な試合をこなしての崖っぷちだ。内容がサッカー先進国のゲームとはまるで違う。

特に昨晩のギリシャ戦は退屈過ぎて涙が出そうなくらいだった。

次の試合では、もちろん勝つに越したことはないが、たとえ敗れることがあってもぜひ楽しめる面白いサッカーをやってほしい。

相手はC組トップ、絶好調のコロンビアだ。勝って予選突破をするためにも、また負けて、でも将来の日本のサッカーに資するためにも、日本は必ず「面白いゲーム」を目指すべきだ。

単調な攻撃や、ワンパターンの揺さぶりにならない揺さぶりや、流行遅れのポゼッションサッカーにこだわるのは、予選最終戦では禁物だ。

いや、スペイン得意のポゼッションサッカーは流行の終わりにあるとはいえ、日本チームの血となり肉となっている戦術なら、まだ戦力にもなる。

だが、日本選手はまだまだそれを「猿真似」している段階だ。それは昨夜のギリシャ戦ではっきりと露呈した。

攻めもなく、想像力もなく、独創性もなく、ただ漫然と仲間うちでパスを繰り返しているだけの物真似ボール回しは、退屈で貧弱で滑稽だ。日本はポゼッションサッカーの意味を全く理解していない。

僕は以前、日本サッカーは楽しいサッカーを自家薬籠中のものにしつつある、と書いた。

それは主に、コンフェデ杯で日本がイタリアと互角に戦った素晴らしいゲームを見て、真剣に感じたことだった。

しかし、W杯の2試合を観戦して僕は自分が希望的観測に犯されていることを知った。

日本のサッカーはまだまだだ。僕は今後、恐らくヨーロッパを始めとする世界のサッカーファンが読んだり聞いたりしたら失笑することが分かっている、日本チームを誉めすぎる話や、個人のプレーヤーを持ち上げ過ぎたりするような記事は書かないようにしようと思う。

僕は日本人以外のサッカー好きにはとうてい受け入れらそうもない話も、そうと知っていて書いた。批判するばかりでは何も生まれない、良いところを見つけて賞賛することも常に重要だ、という考えからそうしてきたのだ。

その考えは今も変わらず、今後もそういう視点での記事は書いていくが、批評や批判も大いにするべきだという気分でいる。

ここでは、昨晩の日本VSギリシャ戦の余りの拙さに呆れて、批判ばかりを書いた。次には心からの賞賛というか、日本サッカーの可能性と良さについても、自分なりに適正に「過剰にならない」形で意見開陳をしていこうと思う。