僕にとっては、日本VSギリシャ戦の引き分けのショックも冷めやらない6月20日晩(イタリア時間)、コスタリカが1-0でイタリアを下した。

コスタリカは初戦で強豪のウルグアイを破っているとはいえ、W杯4回制覇の実績を持つイタリアを倒したのは、やはり番狂わせと言っても良い快挙だろう。

イタリアの敗北でD組のもう一つの強豪イングランドの予選落ちが決定した。スペインに続く早々のW杯舞台からの退場確定。

イタリアが最終戦に予選突破をかけるのは日本と同じ立場。一勝しているので予選通過の可能性は日本より高いとはいえ、難しい状況に陥ったことは間違いがない。

僕はこの前の記事で、王者スペインが敗退した今はドイツが優勝候補の筆頭。続いてブラジルとイタリアが並んで、そのすぐ後ろを僅差でオランダが追う、と書いた。そのときは忘れたが、アルゼンチンも優勝候補であることは疑いがないところだろう。

正直に言えば、イタリアがコスタリカに負けるとは予想していなかった。それが現実になった今、果たしてイタリアをブラジルと並ぶ優勝候補の一角、と位置づけることが可能か自問しないことはないが、敢えて状況に変わりなし、と捉えることにした。

希望的観測、という部分も皆無ではないが、過去のイタリアチームのパフォーマンスを考えると、今にも敗退して舞台から消えるのではないかとハラハラさせながら前進する方が強いのだ。

W杯に限らず、欧州選手権などでもイタリアにはそういう傾向がある。優勝候補と目されている時でも、フタを開けるとからきし弱くてよたよたと進む。そして時間経過とともに芯が明確に形成されいって、気がついたら決勝戦まで進出していた、というケースが良くあるのである。少なくともそういう印象の戦いぶりが圧倒的に多い。

そういう意味では、予選第2戦で格下と見られていたコスタリカに苦杯をなめさせられたのは想定内の出来事。むしろ吉兆だという考え方さえできる。

イタリアは予選最終のウルグアイ戦で勝つか引き分けるかして決勝トーナメントに進めば、例によってファンをハラハラどきどきさせながら勝ち続けて、結局決勝戦のピッチに立っている可能性は極めて高い、と僕は今この時点では考える。

データ的にもイタリアに味方するものは少なくない。

例えばW杯直前のコンフェデ杯を制したチームは、W杯では優勝できない。準優勝チームもダメというジンクス。2013年のコンフェデ杯の覇者はブラジル。準優勝はスペイン。そのスペインは既に予選敗退が決定している。

その伝で行くと、優勝したブラジルはW杯では負ける、ということになる。もちろんそれはコンフェデ杯で3位だったイタリアが優勝する、というジンクスにつながるものではないが、もしも2チームが決勝戦で相まみえることがあればイタリア有利、という風には形容できる。

もう一つのデータ、ジンクスもある。これはブラジルにも言えることだが、イタリアは前回W杯を制したチームではない、ということである。

W杯では前回優勝チームが予選リーグで早々に消える、ということも結構起こる。今回のスペインも2010年南アフリカ大会のディフェンディングチャンピオンだった。

ちょうど同じことが1950年のイタリア、1966年のブラジル、2002年のフランス、そして再び2010年のイタリアと史上5回も起きている。

もちろん決勝トーナメントで敗退する前回王者も多い。むしろその方が普通だ。なにしろW杯を連覇している国は史上イタリアとブラジルの2国しかない。

今回大会では、スペインが史上3番目の連覇を目指したが、一次リーグでの敗退、という悪い方のジンクスに絡め取られた。

実を言えばイタリアに不利なデータも多々あるのだが、ここでは敢えてイタリア有利と言えそうな記録の幾つかのみを並べてみた。

もう一度言えば、今の時点での優勝候補NO1はドイツ、続いてブラジル、イタリア。快進撃を続けているオランダとアルゼンチンがその次あたり。

ダークホースとして、ウルグアイ、コスタリカ、フランス・・などなど。

ドイツにはほとんど欠点らしい欠点は見えないが、ブラジルがネイマーまたイタリアはピルロ依存症のチームというのが気になる。同じことはどうもアルゼンチンとメッシの関係にも当てはまる。

そうなると、今のところどこにも隙がなさそうなオランダがドイツと並ぶ優勝候補の最右翼、と言えそうだが、僕はやっぱりオランダの優勝経験0にひっかかりを感じる。

優勝予想なんて無責任なものだし(僕も責任を取る気はない)外れても当たってもあまり意味のあることではないが、一応自分の「考え」をまとめるために考えてみた。

それでも、もしここにあげた国以外のチームが優勝することがあるなら、ほぼ死に体の日本がよみがえって決勝トーナメントに進み、かつ優勝してしまうことだってきっとある、とは思う。

なぜなら世界サッカーのランクは、独伊伯爾の四天王と英仏西蘭などの欧州の強国をまとめたグループと、それ以外の国々のグループが、今日でも深くて巨大な溝を隔てて対峙している、というのが僕の偽らざる感慨だからである。