山並み稲妻



2017年7月2日。

短パンに靴下、ビロード風の長袖シャツという格好で居間のソファでテレビを見ていると、開け放した窓から吹き込む風が冷たく、我慢できずに窓を閉めた。

短パンに厚手の長袖シャツというおかしな格好でいたのは、毎日がおかしな天候だからである。

5月4日、僕はこのブログに:

4月になって、暖かいというよりも暑いくらいの陽気になった北イタリアは、このまま夏に突入かとさえ見えた。

ところが4月半ばの復活祭(伊語:パスクア 英語:イースター)直後から冬が舞い戻ったような寒さがやってきた。

今日5月4日も、気温が下がった当初から数日前までの、本気モードの寒さほどではないものの、けっこう冷える。

と書いた

その後、季節は徐々に進行して6月20日過ぎまで暖かみが増していった。

6月22,23,24日ころは盛夏の暑さが思いやられるほどに気温が上昇した。

特に6月24日(土)の暑さはひどかった。僕らはその日友人3夫婦を招んで庭でBBQをした。

BBQがメインで、前菜代わりに氷に乗せた刺身をふるまった。

そうしながら僕はBBQも進めていたのだが、夜8時を過ぎても異常に暑く、僕はその日のイベントを後悔したほどだ。

ところが翌日の日曜日は一転して豪雨を伴う嵐に見舞われた。

雷とともに吹き付ける風はテンポラーレ。僕が勝手に「豆台風」と呼んでいる強烈な夕立、あるいは野分(のわき)。

夏の終わりに吹くのが普通だが、最近は今回のように夏の初めや途中でも吹くことが多い。

気象変動は確実にそこにあるのだ。

豆台風は庭の大鉢に植えられたレモンの木を鉢ごとなぎ倒した。

壁に這うバラの木々の枝の多くも千切り飛ばした。

雨は農家には慈雨になったが、降雨量が多すぎて洪水や土砂崩れなどの被害ももたらした。

その豆台風は涼を通り越して寒の空気も運んできた。

さすがに4月半ばの寒さにはならないものの、空気は日中でも風が吹くとひんやりとしている。

以後、雨も断続的に降り続いて今日(7月2日)になった。

それらの変動は北イタリアのみの状況である。

イタリア半島の南半分とシチリア及びサルデニアの島嶼部は、雨が降らず旱魃になっている。

イタリアの気候は南北真っ二つに分断されているのだ。

しかし、その分断はどうやら解消されそうな気配。

この先しばらくはイタリア南部にもテンポラーレが襲って雨も期待されている。

7月、8月は例年よりも暑くなりそうだが、どうなることやら。

今年は6月にいつものように休暇を取って旅に出ることができなかった。

すこし悔しい。