クリスマス飾りup


2017年のクリスマスは忘れがたいものになった。生まれて初めて入院を伴う手術を受け、クリスマスを体調不良のうちに過ごした。

手術は外傷を伴わないものだが、器官の内部を切除するので出血し痛みをもたらす。やはり体への負担は避けられないのである。

麻酔から覚めて痛みを感じ出血を見定め、しばらくしてベッドから立ち上がった時、やはり生まれて初めて「老い」を意識した。

それは異様な感覚ではあったが、不快ではなく、「あ、なるほど・・」と納得して、今後多くなっていくのであろうそうした「感じ」とうまく付き合ってやるぞ、と思った。

進行してさらに症状が重なれば楽観してはいられないだろうが、今はむしろ老いの兆候を楽しみ期待する気持ちさえある。それはきっとまだ「老い」ではない、ということなのかもしれないが。

「いつまでも死なない老人」、と「老人の」義母が喝破した、嫌われ者の老人が巷にあふれている。実は僕の身内に3人、友人知己の身内にも多い。

「いつまでも死なない老人」とは、身も蓋(ふた)もない言い方をしてもしなくても、要するに《もう生きていてほしくない》と周囲が思っている老人のことである。

年齢的には、義母の言葉が生まれた状況や、有名方言大王『タローア・ソー』氏の“名言”の内容などから推して、「90歳を超えたあたり」というふうに考えれば分かりやすいかもしれない。

90歳を超えてもカクシャクとして、前向きで愚痴を言わず、生きることを楽しんでいる老人なら、200歳まで生きていても誰も「いつまでも死なない老人」などと陰口をたたくことはないだろう。

あるいはカクシャクとしてはいなくとも、足るを知り、高齢まで生きて在ることのありがたみを知って、その良さを周囲に分け与えてくれる老人なら誰もが、「いつまでも死なないでほしい」と願うだろう。

足るを知らないネガティブな存在の老人を、ありのままに受け止めて
「自らのためになす」方法を、僕はやはりことしのクリスマスのあたりで発見した。つまり、彼らを「反面教師」としてしっかり利用しようということだ。

付け加えておけば、「いつまでも死なない老人」の名言を吐いた義母は、その直後から急速に壊れて、今は彼女自身が「いつまでも死なない老人」の一人になってしまった。これは予想外の展開だった。

中国、北朝鮮、およびロシアなどへの僕の敵対意識に近い違和感は急速に薄れて、親近感とは言わないまでも、それらの国々の在り方を一方的に否定することが少なくなった。

トランプ米大統領の存在が原因である。つまり僕が尊敬し愛し肯定し続けてきたアメリカを破壊し、矮小化したトランプという男への嫌悪感の分だけ、僕の中では前述の3国への抵抗感が減少した。

同時に、安倍首相や周囲のネトウヨ・ヘイト・排外主義者らが、トランプ大統領やその(影の)側近のスティーブン・バノン氏などの「白人至上主義者」を称揚し、追随する異様な事態に寒気を覚えるのも今日この頃である。

それらのネトウヨ・ヘイト・排外主義者らは、自らも白人になったつもりなのか「白人至上主義」に凝り固まったアメリカの同種の人々と手を取り合って、日本人と同じ黄色人種の中国人や韓国・北朝鮮人を見下し嘲笑する。その有様は異様を通り越して滑稽だ。

それらの人々は、彼らが「トモダチ」と錯覚している白人種のネトウヨ・ヘイト・排外主義者らが、自分自身やまた同種の日本人を陰で「黄色いサル」などと呼んで蔑んでいる現実に、そろそろ気づくべきだ。彼らは白人種以外を真には認めないから「白人至上主義者」なのである。