タコ干しヨリ800



ギリシャ・エーゲ海の島々の中でも最大、且つ最南端のクレタ島は、肉料理が豊富である。

また小さなレロス島では、豊富な魚介料理のうちでも日本の刺身に影響された「刺身マリネ」の一生懸命さが印象的だった。

島が大きいほど肉料理が充溢しているように見えるのは、陸地が広い分だけ野生の動物も多いのが理由だろう。

また家畜の場合でも、土地が潤沢なほど牧草や飼料が充溢するから飼育が盛んに行われる、という当たり前の状況もあるに違いない。

数年前に滞在した同じギリシャのロードス島は、肉料理も魚介料理も同じくらいにレシピが盛りだくさんで、味も良かった。

ロードス島はギリシャ国内4番目の広さの島。大きくもなく小さくもない規模、あるいは大きいとも小さいとも言える島。そのせいで料理も肉と魚が満載、ということなのだろう。

10年程度をかけて中東や北アフリカを含む地中海域を旅する、という僕の計画はイスラム過激派のおかげで頓挫した。

僕は命知らずの勇気ある男ではないので、テロや誘拐や暴力の絶えない地域を旅するのは御免である。

世界には一生かけても訪ねきれない素敵な場所がゴマンとある。なのにわざわざ危険な地域を選んで旅することはない。

アラブまた北アフリカの国々は、「将来機会がある場合のみ訪ね歩く」ときっぱり割り切って、僕の地中海紀行は来年以降もギリシャを中心に回る腹づもりである。

その際の食の探訪のひとつには、アラブ圏で大いに楽しもうと考えていた、ヤギ&子ヤギまた羊肉料理をしっかりとメジャーに据えて、食べ歩く決心をした。

もっとも9月のクレタ島でも10月のドデカネス諸島でも、はたまた3月に旅したスペインのカナリア諸島でも、ヤギ&羊料理は目に付く限り食べ、目に付かない場合も「敢えて」探して食べたのだけれど・・