
ディマイオ党首(左)&コンテ氏
連立政権樹立を目指すイタリアの五つ星運動と同盟は、首相候補としてジュゼッペ・コンテ氏(Giuseppe Conte54歳)を推薦した。
コンテ氏は五つ星運動のディマイオ党首の顧問を務める弁護士。大学法学部でも教鞭をとっている。
ほとんど無名だったコンテ氏が首相になれば、チャンピ、ディーニ、アマート、モンティに次いで国会議員ではない者が政権を率いる5番目のケースになる。
また、解散総選挙を経ない者が首相になるケースとしては、モンティ、レッタ、レンツィ、ジェンティローニに次ぐ5期連続の非常事態である。
マタレッラ大統領は、首相候補が明らかにされたのを受けて今日(5月22日)、上下両院議長と意見を交し合う。
その後、首相候補を信任して組閣要請を出すか否かの決断を下す。大統領は憲法の規定で首相候補を否認することもできる。
マタレッラ大統領は、他の欧州諸国の首脳や政府幹部などと同様に、五つ星運動と同盟が野放図な財政運営を計画していることに不安を抱いている。
従って彼らの連立政権を阻止する目的で、首相候補を否認し独自の内閣案を提示する可能性もある。
だが、選挙の洗礼を経ないいわゆるテクノクラート(実務者)内閣には、五つ星運動も同盟も強く反発している。そのため議会の信任が得られない可能性が高い。
マタレッラ大統領は依然として、政権合意への認否か解散総選挙の宣言か、の大きな選択をしなければならない岐路に立たされている。
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