欧州連合(EU)の欧州委員会は23日、財政赤字を国内総生産(GDP)の2.4%に設定するとしたイタリアの2019年度予算案を、EUの財政規律から大きく逸脱しているとして拒否した。規律違反を理由にEUがを加盟国の予算案を却下したのは今回が初めて。
イタリア・ポピュリスト政権の予算案は、赤字の対GDP比率が前政権の見積もりの3倍にも達するバラマキ財政。実施すれば構造的赤字が拡大し、公的債務も拡大することが必至。2018年10月現在イタリアの借金は国民1人当たり€37000(約481万円)でEU圏最大である。
EUは3週間以内に新たな予算案を提出するようイタリア政府に命令した。イタリアが従わなければ、欧州委は多大な罰金を伴う「過剰財政赤字手続き」処分を検討する方針。
イタリア政府は独伊の10年債利回りのスプレッドが急上昇するなどすれば予算案を修正するだろうが、反ユーロ、反EUの実力者、サルヴィーニ副首相兼内相が強硬に反対し、EUと厳しく対立する可能性もある。
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