朝のビーチクバ傘パラソル800


ギリシャのクレタ島にいる。9月末のエーゲ海のビーチは、朝晩はさすがに涼しいが、まだ夏まっ盛りという風である。ビーチの寝椅子で直射日光にあたると肌が痛くなるほどだ。

ギリシャの島々はけっこう訪ねている。しかし、再訪したのはクレタ島が初めて。ギリシャの島に限らず、ほとんどの訪問地で「また必ず訪ねよう」と心に誓うが、実現することはまずない。

世界は行きたいところ、見たい場所にあふれていて、だが機会は限られ人生は短い。遠出の旅で同じ場所を何度も訪ねる心の余裕も時間もない。

それでも今年は昨年に続いてイタリアのサルデーニャ島を再訪し、さらにここクレタ島にもやってきた。

しかもクレタ島では2年前とそっくり同じリゾート地に宿を取った。ビーチ際のホテル内の、海を見渡すstudioと呼ばれるアパート。瀟洒な施設で実は2年前に当たりをつけておいたところだ。

クレタ島のビーチリゾートには、目の前が砂浜と海という宿泊施設が多いが、今回の宿はまさにビーチに面した造りで、かつ小奇麗で便利でシックな感じが好ましい。値段も手ごろだ。

6月にはギリシャほかの島々や海に遊び、冬前にチャンスがあればクレタ島に滞在する、という計画を初めて実践してみた。結果は大いに満足、というところ。将来もおそらくまた訪ねるだろうという予感がする。

閑話休題

2年前の滞在時にはうかつにも全く気づかなかったのだが、クレタ島は羊よりもヤギの多い島で、野生ヤギの一種kri-kri(クリクリ)の生息地でもある。むろんヤギ肉料理も豊富だ。

ヤギ料理は乳飲み子や成獣よりも10㎏から~15㎏ほどの若い家畜の肉を使ったものが一般的。また羊の場合は乳飲み子を含む子羊の肉が多い、と分かった。

しかし、印象としてはヤギも羊も乳飲み子を含む若い家畜の肉が大半だ。言葉を変えれば成獣の肉はあまり使わない、ということ。ただし前回滞在時には極めて美味な羊の成獣肉料理にも出会った。

クレタ島オリジナルの食は肉が中心だ。これは島がイタリアのサルデーニャ島に似て、古くから外敵の侵略にさらされ続け住民が内奥の山々に逃げ込みそこに居ついたという歴史があるからだ。

その時の主な家畜はヤギと羊だった。そのためにヤギ肉と羊肉(以下:ヤギ・羊肉)の美味いレシピが発達した。クレタ島もまたサルデーニャ島も、人々がヤギ羊肉をよく食べるところは同じである。

ところが、サルデーニャ島では子羊の料理は季節限定になっているのに対して、クレタ島では子ヤギと子羊の肉料理は一年中供される。

今回旅では、ギリシャあるいは「クレタ島伝統食」レストランと銘打つ幾つもの店で、非常に美味いヤギ・羊肉料理に出会っている。

クレタ島滞在中は、さらにヤギ・羊肉料理を食べまくる計画。次回はできればレシピの具体例を書いてみたいと思う。


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