虫食材600


コロナウイルスの状況が読めないので帰国予定をキャンセルした。

人の食習慣をあれこれ言うのは当たらない。

世界で人気の刺身は、つい最近まで大いなるゲテモノとみなされてきたし、今も敬遠する人は多い。

個人的には僕は、多くの人がイカモノと考えるヤギ・羊肉料理を、主に地中海域に捜し求めて飽きない。

「毒魚のフグを美味いと食らう日本人は気がおかしい」と、醗酵ニシンの缶詰であるシュール・ストレンミングの異臭にまみれてスウェーデン人がつぶやき、

イタリア人が腐ったチーズ、カース・マルツゥのウジをつまみ食いながら、ガラガラへびを捕らえて喜び食らうアメリカ・テキサス州人を、悪食の連中、とあざけるのが世界の食文化の景観だ。

世界中のあらゆる民族は、他から見たらゲテモノ以外の何ものでもない食材や食習慣をひとつやふたつは持っている。

そういうわけだから僕は中国人の奇食を批判したくはない。

だが、そうはいうものの、ウイルスを自国以外にもまき散らす彼らは少し迷惑だ。

コウモリかネズミか知らないが、食うなら食って外に出るな、と思わず言ってみたくなる。

外に出るな、とはグローバル世界の今の時代では「死ね」と同じ意味だ。

となると、それらのキワモノはできればやっぱり食うべきではない、というのが結論なのかもしれない。


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