イタリアが世界最悪の新型コロナ被害地だった頃から今日にかけて、心穏やかでいたつもりだが、やはりCovid-19の悪影響から完全に自由ではいられなかったらしい。
その痕跡は、ここまでテーマを新型コロナ一色に絞って書き綴って来たブログ記事や、コラムその他の文章の内容に如実に示されている。
加えて、移動規制が緩和された今でさえ、外出をひどく億劫に感じたりするのも、おそらくコロナの障りに違いない。
菜園管理にも悪影響が出た。例年3月始めころに果菜類を主体にプランターで育苗をして、4月に直播きの野菜と前後して菜園に移植するが、ことしはまったく育苗をする気になれなかった。
それでも小さな畑に耕運機を入れて土起こしだけはやった。その後、4月も終わりになった頃に、菜園のかなりの部分にサラダ用野菜の混合種をびっしりと蒔いた。
野菜が隙間なく生い茂れば、一部を収穫して普通にサラダとして食べ、残りは雑草の抑えとしてそのまま茂るにまかせるつもりだった。
菜園では、農薬も化学肥料も使わない有機栽培を実行していて、雑草が繁茂し虫が多く湧く。雑草には特に苦労している。
そのせいもあって、以前から生食用の野菜を一面に育てて雑草の邪魔ができないか、と考えていた。それが土にどんな影響を与えるかは知らないが、ことしとうとう実行してみた。
5月になるとミックスサラダの新芽が生い茂った。雑草の害も明らかに少ない。気をよくしつつ一部を収穫して食べるうちに、ふつうに菜園管理への意欲がわいてきた。
先日、苗屋に行ってみた。人々はロックダウン中もきちんと仕事をしていて、りっぱな苗が育っていた。ロックダウンのため店は半ば閉まっているが、訪ねてくる客には販売もしているという。早速トマト、ピーマン、ナス、ズッキーニ、胡瓜、また少しのハーブ苗を購入した。
ことしは毎年自分で育苗をするトマトも育てなかったので、夏以降に行うトマトソース作りも中止、と考えていた。それだけに苗屋で新芽を手に入れられたのは嬉しかった。トマトソースは毎年大量に作って友人らにも裾分けするのが僕の習いだ。
トマトは購入した苗に加えて、昨年の落実から菜園で自然に芽吹いた苗も育ててみることにした。両方がうまく育てば、結局いつもの年よりも多目のトマトソースができることになるだろう。
ところで日本人の中には、トマトソースをイタリア料理の基本と考える人もいるようだが、それは誤解である。イタリア料理では確かにパスタやピザや煮込みなどにトマトソースがよく使われる。
とはいうものの、トマトソースはイタメシの基本でもなければ主体でもない。あくまでも料理素材の一部に過ぎない。
もっとも僕はトマトソースに塩、胡椒のみを加えて、そのまま煮ただけでも美味しいと感じる。そのため他の食材に加えて料理をするばかりではなく、ソースそのものもふつう以上によく食べるけれど。
菜園では、いたるところに蒔いたサラダが生い茂ったおかげで、いつもよりもあきらかに雑草が少ない。今後は毎年同じことをやってみようかとも考えている。
それをやれば連作障害が起きる懸念がある。が、しつこくて始末に困るある種の雑草の成長をブロックできるなら、それでも構わないのではないか、とも思う。実際のところはどうなのだろうか。