
10月23日、イタリアの新型コロナ新規感染者数は1万9134人。ちょうど1週間前に1万人に達し(1万10人)、以来ほぼ倍増した。累計の感染者数は10月24日現在、48万4869人である。
これを受けて、イタリアの第1波の感染爆心地のロンバルディア、それに隣接するピエモンテ、また首都ローマがあるラッツィオ、ナポリが州都のカンパーニア、カンパーニアと同じ南部のカラブリアの五つの州が午後11時から翌朝5時までの夜間外出禁止令を発動した。
このうちカンパーニア州のヴィンツェンツォ・デルカ知事は、即座に全土の封鎖、ロックダウンを要請。一方でロンバルディア州のアッティリオ・フォンターナ知事は、第1波時のロックダウンで蒙った経済社会活動の打撃を繰り返すべきではない、と主張。
第1波ではためらうことなく全土封鎖に踏み切ったコンテ首相も即座のロックダウンには慎重な姿勢。だが将来の全土封鎖の可能性は排除していない。
第1波で導入されたロックダウンによる経済破壊と、国民また社会全体の疲弊を思えば、ロックダウンは避けるべきだ。だがコロナの感染拡大を止める有効な手段は全土封鎖しかないのも事実。
累計の感染者数が、イタリアの2倍以上の100万人を超えたフランスとスペインの状況はさらに深刻だ。フランスは首都パリを含む9都市に課した外出禁止令を38地域に拡大。人口6700万人のうち約3分の2に当たる4600万人が規制の対象になる。
スペインは首都マドリードで部分的ロックダウンが行なってきたが、全国的な厳しい規制は導入されていない。政権が少数与党であるため統一した政策が取れないのだ。ペドロ・サンチェス首相は、スペインの感染者の実数は300万人以上だろうと述べ、危機感を募らせている。
EUから離脱はしたものの、欧州の一部であるイギリスの感染拡大も続いている。ドイツもまたその他の国々の状況も深刻化の一途をたどっている。部分的な移動規制や外出禁止令は当たり前になり、多くの国が全土のロックダウンを視野に入れるようになった。が、全土封鎖の結果の凄まじさを知るだけに、どの国も必死でそれを避けようと動いている。