
イタリア上院は19日、賛成156、反対140の僅差でコンテ内閣を信任した。
レンツィ元首相が率いる小政党「Italia Viva イタリア・ヴィヴァ」が連立政権から離脱したのが政局混乱の原因である。
議会絶対多数は161だった。そこに届かない場合はコンテ首相が辞任するなど、さらなる政治不安が出現する可能性もあった。
単純多数で信任されたンテ首相は「少数与党政権」を率いることになる。
イタリアでは珍しくないことだが、新型コロナパンデミックの中での厳しい政権運営になることが必至である。
イタリアでは上下両院が同等の権限を持つ。コンテ首相は予算案などの重要法案の可決の度に絶対多数工作をしなければならない。
パンデミックがはびこる非常時に、エゴイズム丸出しで政治混乱を演出したレンツィ元首相は無体な政治家だが、無体がイタリア政治の常態だから、今後もしぶとく恥知らずに生き延びるのだろう。