4月27日、イタリアが3度目のロックダウンを緩和した翌日、待望のワクチン接種を受けた。
副反応は注射跡のほんの少しの痛み。毎年受けているインフルエンザワクチン接種後の症状にも似た、軽いだるさもあるような、ないような。
コロナの恐怖と不快とに比べたら“それがどうした、河童の屁だぜ”という程度の差し合いにすぎないけれど。
5月には早くも2回目の接種を受ける。それでコロナの全てが終わるわけではないが、ある程度の行動の自由は保障されるのではないか。
知らぬ間に年をくって、もはや無駄にできる時間はない、とコロナ自粛・閉鎖中にしみじみと気づいた。
仕事も旅も趣味も、特に旅と趣味にハジケてやる、とひとりひそかに決意中。
4月27日現在のイタリアのワクチン接種状況は:累計13142028 回。5475401人が2回接種済み 。
4月26日に始まったイタリアの規制緩和は早すぎるのではいか、と実は僕は少し気にしている。
ワクチン接種数は、たとえば日本に較べればはるかに多いが、イギリスやイスラエルまたアメリカなどに及ばない。
拙速な規制緩和は強烈なリバウンドを呼びかねない。いま大問題になっているインドがそうだ。
ほかにも枚挙にいとまがない。
ここイタリアでも起きた。
4月初めには感染防止の優等生だったサルデーニャ州が、規制緩和が始まった4月26日には、唯一のロックダウン継続地(レッドゾーン)と指定された。
3月終わりから4月初めにかけての復活祭期間に、安全地帯として規制をゆるめたとたんに、感染再拡大に見舞われたのである。
始まったばかりのイタリア全土のロックダウン解除も同じ結末になりかねない。
だが遅れがちだったワクチン接種計画が軌道に乗りつつあるのも事実。
だから高齢者の入り口あたりでウロウロしている僕にもすぐに順番が回ってきた。
リバウンドが起こらないことを祈りつつ、2回目の接種をわくわくと、且つじれったい思いで待つことにする。
ところで
世の中にはワクチンを喜ばない人々もいる。喜ばないどころか彼らはワクチンを敵視さえする。
理由は拙速な開発や効果を疑うという真っ当なものから、根拠のないデマや陰謀論に影響された思い込みまである。
後者の人々を科学の言葉で納得させるのはほとんど不可能に近い。
それらの人々のうち、陰謀説などにとらわれている勢力は、科学を無視して荒唐無稽な主張をするトランプ前大統領や、追随するQアノンなどをほう彿とさせないこともない。
ここイタリアにもそれに近い激しい活動をする人々がいる。「NoVax(ノー・ヴァクス)” 」だ。
NoVaxはイタリア政府のワクチン政策を乱し、結果最終目標である「集団免疫」の獲得を邪魔する可能性もある。きわめて深刻な課題だ。
そのことについてはまた報告しようと思う。