サッカー欧州選手権のたびに言っていることだが、同大会が日本であまり注目されないのは返す返すも惜しい。
欧州選手権はワールドカップ同様に4年ごとに開かれ、しかもW杯の最終ステージ、つまり準決勝や決勝戦にも匹敵するような超ド級の面白い試合が連日見られる。
僕は欧州サッカーの集大成である選手権のハイレベルな競技をぜひ日本の若者たちに見てもらい、国全体のサッカーのレベル向上に役立ててほしいと心から願っている。
欧州カップにはブラジルやアルゼンチンなど、南米の強豪チームが参加しない。それは少し物足りないかもしれない。
だが、そこかしこで指摘してきたように、レベルの低いアジア、アフリカ、オセアニア、北米などが出場しない分緊迫した試合が続く。
サッカー好きの子供たちがゲームを見れば、大きな刺激となり勉強になることが確実だ。
僕はかつて「ベンチのマラドーナ」と相手チームの少年たちに恐れられたサッカー選手だ。
もしも子供のころに欧州選手権の試合をひとつでも見ていれば、きっと多くのことを学んで、たまには試合に出してもらえる程度には上達したかもしれない。
僕でさえそうなのだから、才能豊かな少年たちが欧州選手権のハイレベルなゲームを見れば、多くの中田英寿が誕生し、もしかすると100年も経てば日本のロベルト・バッジョさえ生まれるかもしれない。
NHKはなぜ欧州選手権の放映権を手に入れないのだろう?
日本が出場しなくても、日本のサッカーのレベルと人気を高めるためにぜひとも行動してほしいものである。
商業目的ではなく、日本国民の教育と啓蒙に資するのだから。
そしてなによりも、日本のサッカーを強くするのだから。