Rotterdum riot lockdown

2021年12月18日、オランダが全土ロックダウンを敢行した。

欧州のコロナ状況ははかばかしくない。オミクロン株への不安に加えて、感染拡大が止まないのである。

人口1700万人あまりのオランダは、1日あたりの感染者数が2万人近くにのぼる日もあり、クリスマス期間の大きな人出に耐えられないと判断した。

オランダに先立ってロックダウンを敷いたオーストリアは、規制を緩和したが状況は予断を許さない。

大国ドイツの感染状況も依然として厳しい。

ここイタリアでもじわじわと感染が拡大し続けている。

だが情勢はいま触れた3国をはじめとする欧州のほとんどの国よりは良い。

特にオミクロン株が今のところは低く抑えられている。

そのことを踏まえてドラギ政権は、EU各国からの旅行者にワクチン接種済みか否かを問わず入国制限をかけた。

オミクロン株を排除するのが目的だが、EU本部からの反発も受けた。

イタリアを含む欧州各国は、経済に大きな影響を与えるクリスマス需要を守ろうと必死になっている。

だがついに-冒頭で触れたように-オランダが脱落してロックダウンを断行した。

状況が良くないドイツがもしも将来ロックダウンに踏み切れば、オランダのそれとは比較にならない大きな影響が出る。

EUを離脱した英国の環境も険悪だ。

ミニトランプのジョンソン首相は、死に物狂いで規制強化を避けようとするだろうが、先行きは極めて不透明。

クリスマスから年末年始にかけては、感染が拡大するであろう、と予想されてきた。

そのため欧州各国はクリスマス期間前に規制を強化して、祝祭の日々をできる限り明るくしようと懸命に動いている。

その結果がどうなろうとも、ワクチン接種を拒否する人々の数が減らない限り、パンデミックの終息は速やかにはやってこないだろう。

来年2月にワクチン接種を義務化するオーストリアの計画が、もしも予定通り遂行されて現実のものとなったとする。

その場合は欧州もまたそのほかの世界も、本格的に反ワクチン住民を仕置きする動きに出るだろう。

それは必要なことかもしれないが、社会はさらに深い分断の闇に飲み込まれていく可能性が高い。

それでも事ここに至っては、何らかの仕置きはなされるべきだろう。ひたすらパンデミックの終焉のために。







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