ミモザ

3月の10日前後には何かと気にかかることが起きる。

3月8日は女性の日。イタリアではミモザ祭りと呼ばれている。

そのことについてはほぼ毎年のようにここでも書いているが、ちょうど10年前にも次のように書いた。

女性の日は元々、女性解放運動・フェミニズムとの関連が強い祭り。20世紀初頭のニューヨークで、女性労働者たちが参政権を求めてデモを行なったことが原点である。

それが「女性の政治参加と平等を求める」記念日となり、1917年にはロシアの2月革命を喚起する原因の一つにさえなった。

1975年には、国連が3月8日を「国際婦人デー(日)」と定めた。

しかし、この「国際婦人デー(日)」が、目に見える形で今でもしっかり祝福されているのは、僕が知る限りどうもロシアとイタリアだけのようである。

ロシアでは革命後、3月8日を女性解放の日と位置づけて祝ったらしい。だが今ではフェミニズム色は薄れて女性を讃え、愛し、女性に感謝する日として贈り物をしたりして寿ほぐ日になった。

ロシアの状況はイタリアにも通じるものがある。

イタリアでは3月8日には、ミモザの花を女性が女性に送るとされる。それには女性たちが団結してフェミニズムを謳歌する、という意味合いがある。

が、実際にはそう厳密なものではなく、ロシア同様にその日は女性を讃え、愛し、女性に感謝をする形がほとんどのようである。

男が女にミモザの花を贈るという習わしは実は、元々イタリアにあったものである。恐らくそのせいだと思うが、女性の日をフェミニズムに関連付けて考える人は、この国にはあまり多くないようだ。


ことしの3月8日の女性の日もロシアが大きく関わった。プーチン大統領がウクライナの女性たちを虐殺している暗黒の日だ。

また2020年の3月10日には、コロナに蹂躙されて地獄に落ちたイタリアが、ついに前代未聞の全土ロックダウンを敢行した。

その翌日3月11日は、いわずと知れた東北大震災の大きな記念日だ。

そして日にちが3月10日周辺からは少しずれるものの、ことしの2月24日も「ロシアのウクライナ侵略の日」として歴史に残るだろう。

その黒い記録の日は-いつになるかは神のみぞ知るだが-モンスター独裁者「ウラジミール・プーチンの処刑日」とペアになって語り継がれることになるのではないか。

語り継がれる日になってほしい。

できればその日が来年か再来年あたりの3月10日前後になれば、記憶に残りやすい。プーチンに死を。。。

と僕は重い心でひそかに願いつつ2022年の3月8日を過ごした。





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