650堆肥&caliora(手押し車)

北イタリアは厳しい旱ばつに見舞われている。昨年末からほぼ4ヶ月に渡って雨も雪もまったく降らない。

北イタリアを貫く大河ポーが、枯渇寸前まで水位が下がり大きな問題になっている。

これが夏の出来事なら強い危機感で息苦しさを覚えていたに違いない。それほど異様な雰囲気がある。

昨年夏、イタリアは熱波に襲われた。

南のシチリア島では、欧州で過去最高気温となる48,8℃が記録された。

雨も少なく、暑さとともに乾燥が続いて山火事が相次いだ

冬の間の水枯れが異様に感じられるのは、あるいは昨夏のおどろきの暑さと渇水と山火事の記憶が、未だに強く残っているせいかもしれない。

なにしろポー川が冬に枯渇する様を、少なくとも僕は見たり聞いたりした記憶がない。

僕の季節感覚は、近年は菜園の移り変わりとともに多感になったようだ。雨や雪や日照りや寒暖をしきりに気にする。

今の干天も大いに気になる。

いや、正確に言えば、春が来てそろそろ菜園の準備を始めようと思い立って以来、空を見上げ、雲の動きを追いかけ、しきりに天気予報を気にするようになった。

3月に入ってから少しづつ堆肥を埋め込み、小さな耕運機を動かし、マルチをはずしたり移動したりして準備を進めた。

ここ1週間ほどは動きを加速させた。

それというのも、3月30日の水曜日を皮切りに大雨が降る、との予報が出たからだ。

その前に土つくりを済ませて種をまき、また雨の後の植え付けや播種にも備える作業をひと息に進めた。

土つくりはほぼ完了した。サラダを始めとするいくつかの野菜の種もまいた。

今日は、これからCOSTE(フダンソウ)を直播する。

いつもはプランターに苗を作るが、古い種を整理する意味と直まきトライを兼ねての初の試みである。

その作業を済ませたら、静かに雨を待とうと思う。

イタリアの天気予報は最近はかなり正確だ。

おそらく恵みの雨がやって来るだろう。

ウクライナでは人々が苦しんでいる。

それを思うと心痛は絶えないが、こちら側の時間は不思議に平穏に進んでいる。



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