風穴737MAX650

先日運行停止になったボーイング社の問題児、737MAXが空を翔るのはまだ先になりそうだ。

ブティジェッジ米運輸長官が1月10日、規制当局が安全飛行が可能と判断するまで737MAXは地上待機をしなければならないと語ったからだ。

737MAXは前回、2018年起きたインドネシア・ライオン航空の墜落事故と、2019年に起きたアフリカ・エチオピア航空の墜落事故を受けて運行停止になった。

今回は上昇中に側壁が吹き飛ぶという信じられないような事故だった。

ボーイング737MAXは鬱陶しいが、ボーイングの787ドリームライナーもすっきりしない飛行機だ。

ボーイング787は低燃費、安全性を旗印に市場に出たが、2013年にバッテリーの不具合という深刻な問題でコケた。

バッテリー事故のあと、ボーイング社は故障の原因究明を懸命に行なった。

だが結局分からず、可能性のある80通りのケースを想定して、これに対応する形での改善策を米FAA・連邦航空局に提示して了承された。

以来同様の事故は起きていない。

でもボーイング社もFAAも当時、いわば

「故障しない保証はないが、大事故はない。だから心配するな」

という形で幕引きを図った。

だがなんにも頼るもののない空の上で、飛行機が火事になったら、あるいはバッテリーが発火して火事になりそうになったら、はたまたそういう可能性があるかもしれない、と考えたりしながら座席に座っていても少しも楽しくない、と僕は当時思い、今も同じ気持ちでいる。

飛行機に乗るのならば100%の安全やゼロリスクというのはもちろんあり得ない。しかし、故障の原因は分からないが「故障は封じ込めたから安心しろ」というのは、どうもしっくりこない。

片や737MAXは墜落事故の後、飛行制御ソフトウェアの不具合が事故の原因と特定された。

ボーイング社は飛行制御ソフトウェアの設計変更に取り組み、アメリカ連邦航空局(FAA)が承認して飛行禁止を解除した

787ドリームライナーのバッテリー問題も、737MAXのソフトウェアの不具合も愉快ではないが、事故原因が特定できなかった787のほうがより嫌だ、と僕は思う。

むろん機体の側壁が吹き飛んだ今回の737MAXの事故原因が、しっかりと究明されるという前提での話である。




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