憎しみの塊トランプ800

関税に固執するトランプ大統領の頭の中にあるのは経済のことであり、経済を強くすることで彼の支持者を満足させ、アメリカを偉大に、つまりMAGAを達成することである。

それがトランプ政権の使命であり彼の支持者が熱望することだ、というのは一面の真実に過ぎない。

経済力が強くなるとは、要するに軍事力が拡大することでもある。トランプ大統領のひそかな野望は、経済を強くし軍事力を高めて世界を支配することかもしれない。

それというのも彼は、政権発足と同時にかねてからの主張だったグリーンランドを占領し、パナマ運河を収奪し、カナダをアメリカに併合すると公言し、そこに向けて動いている。

そればかりではない。アメリカファースト、つまりアメリカの孤立主義を捨ててガザを軍事支配し、住民を排除してリゾート地に作り変えるとまでうそぶいている。

それらの主張は帝国主義への先祖がえり以外の何ものでもない。どうやら彼は専制政治を導入して世界を支配したいようだ。

もしそうならば、一党支配の元で覇権主義に走っている中国の習近平主席や、ソビエト再興の野望を抱いてウクライナを席巻し、さらに支配域を広げることを夢見るロシアのプーチン大統領と何も変わらない。

それどころかトランプ主義の専横は、民主主義を騙たる分だけ質ちが悪いとさえ言える。

トランプ主義の岩盤支持者らは、トランプ氏が選挙キャンペーン中に強調した「戦争をしない」、「ウクライナとガザの戦争を止める」、「誰も死なせない」などのキャンペーンにも熱狂した。

アメリカはかつて世界の警察と呼ばれ、民主主義を守るという大義名分を掲げて多くの国に介入し戦争を仕掛けてきた。

トランプ支持者の国民はそのことにウンザリしている。だから彼らは戦争をしないと明言したトランプ氏を支持した。彼らはトランプ氏が平和主義者とさえ信じた。

だが果たしてそうだろうか?トランプ大統領は、先に触れたように、グリーンランド獲得とパナマ運河収奪に軍事力を使うことも辞さないとほのめかしている。

ガザの場合には米軍を投入しそこを占領して、瓦礫を片付けリゾート地を造るとさえ明確に述べた。それらは容易に戦争を呼び込む施策だ。

トランプ大統領は民主主義を守る戦争はしないが、侵略し、収奪し、支配する戦争は辞さない、と主張しているようなものだ。

仕上げには彼は、ロシアに蹂躙されるウクライナを「加害者」と断じた。向かうところ敵なしの狂気であり凶器である。

トランプ大統領の本性は僭王であり侵略者であり独裁者のようだ。危険極まりない。





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