王族出席者650

日本政府代表として新ローマ教皇就任式(ミサ)に出席した麻生太郎自民党最高顧問は、各国のロイヤルや権門またセレブなどの影に隠れて姿が見えなかった。

イタリアほか世界中のメディアは、残念ながら麻生さんには全く興味がなかったから彼の姿をカメラで捉えることはなかった。

ネットを巡って、やっとこさで日本人が撮ったと思われる写真にたどり着いた。見ると彼は、やっぱり得意のボルサリーノ帽子姿だった。

似合わないし粋でもない、というのは僕の個人的な見解だから脇に置くとしても、浮いている、という意味でやっぱり滑稽だと思った。

英国のエドワード王子もパナマ帽っぽい伝統的なハット姿だったが、こちらは着こなしがさりげないため粋に見える。

目立ちたがりの装いが一番ダサイのだが、麻生さんはどうしてそんなシンプルな不文律が分からないのだろう。

彼は放言失言無神経の目立つ政治家だが、人間的には憎めないところもある人物、と僕は個人的には考えているので少し残念だ。

麻生さんの組長ファッションは、ま、ご愛嬌だとは思うのだが、日本政府代表というのは国民の名代でもあるのだから、日本国民のひとりとしてはどうしても、なんだかなぁ、という思いが拭えない。

それとは別に僕の気を引いたのは、就任式に出席した米バンス副大統領が「レオ14世をホワイトハウスに招待したい」旨のトランプ大統領からの手紙を教皇に手渡したというニュース。

むろんそこには、レオ14世が史上初の米国出身ローマ教皇という事情もあるが、トランプ大統領はバチカンと教皇が世界に及ぼす影響力の大きさを熟知しているふしがある。

トランプ大統領は既に、レオ14世がウクライナとロシアの仲を取り持って、戦争を終結できるかもしれないと期待する旨の発言をしたりしている。

大統領に返り咲いたらウクライナ戦争を1日で止めさせる、と豪語していた彼の仲立ちは暗礁に乗り上げて、仲介行為から手を引くと匂わす発言をするなど、大統領就任前の大風呂敷の空しさを露呈しまくっている。

そんな状況もあって、彼はレオ14世に終戦に向けての取り持ちを期待しているのだろう。そしてレオ14世は、トランプ大統領に頼まれなくても、必ず平和へ向けての行動を取るに違いない。

だがそれはトランプ政権への彼の好意を意味しない。レオ14世はトランプ大統領への外交辞令は欠かさないだろうが、政権への批判も隠さないだろう。隠さないことを期待したい。

トランプ岩盤支持者のうち、スティーヴ・バノン氏などグローバル政治に少しは通じている者は、レオ14世はアメリカ出身ながらトランプ政権に否定的と見做して早くも批判を強めている。

トランプ大統領がレオ14世の立ち位置を知らないわけはないが、彼は何とかして教皇の心をつかみたいとひそかに画策しているようにも見える。

トランプ唯我独尊大統領は、そういうところはなかなかしたたかなのである。




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