G7構成国のうち英仏カナダがそろってパレスチナ国家を正式承認した。
背景にあるのは、イスラエルとアメリカによる極悪非道のガザ攻撃だ。
一方で― 悪行の実行犯のアメリカは当たり前として―日独伊3国も承認を拒んだ。
偶然にもこちらも、かつての3国同盟、悪の不始末枢軸3大国だ。
このうち日本は、承認しない理由を「国家承認はパレスチナ情勢の進展には繋がらない」としゃーしゃーとのたまった。
それは単にトランプ大統領を怖れ、おののき、ひたすら拝跪するだけの恥ずかしい心根から出た言葉だ。
例によって、独立不羈の行動哲学など逆立ちしても見えない。
ドイツは、国家承認はイスラエルとパレスチナの交渉合意の末に行う、と同国の根本方針を繰り返した。
ドイツはホロコーストへの巨大な贖罪感に縛られて、イスラエル批判にはほぼ常に二の足を踏む。それは理解できることだ。
しかし、イスラエルのガザへの蛮行を糾弾することと、ホロコーストへの怖れと反省は別物であるべきだ。
パレスチナ国家を承認することで、イスラエルの今現在の悪行にNOを突き付けるのは、反ユダヤ主義ではない。それは飽くまでもネタニヤフ政権への断罪だ。
ドイツが真にユダヤ人への贖罪を志向継続するのなら、ガザへの惨たらしい攻撃を続けることで、心ある多くのユダヤ人を貶めているネタニヤフ首相を糾弾するべきだ。
片やイタリアのメローニ首相は、パレスチナの建国を「強く支持する」とした上で、「国家の樹立前に承認することはできない」と笑い話も真っ青の主張をしている。
国家の樹立ができないから、敢えて道徳的な後押しをするためにパレスチナ国家を承認するのだ。
それは飽くまでもイスラエルとアメリカへの抗議の意志表示だ。
むろん、だからこそメローニ首相は、英仏カナダと足並みを揃えることができない。
なぜならメローニ首相は、トランプ主義と親和的な政治信条を持つ極右政治家だからだ。
彼女はトランプ大統領自身とも親密な関係だ。友を裏切ることはできないのだろう。
