開いた口が未だに塞がらない。
高市早苗首相の台湾有事・日本存立危機発言とそれに対する中国の反応のことである。
どっちもどっちだ。
貧弱な政治文化の本質がてんこ盛りになった、恥ずかしくも見苦しい言動の数々だ。
高市首相が、台湾有事は日本の存立危機事態と口を滑らせたのは、日本の過去の蛮行を認めない歴史修正主義に凝り固まった精神が言わせたものだろう。
国際政治を知らず、従って外交に疎い迷妄もあるが、中国への深い蔑視と敵愾心も秘匿されている。日本のトップの人物がWEB上で汚い言語を撒き散らすネトウヨに似ているのは寂しい。
これに対して、大阪在の薛剣中国総領事が「勝手に突っ込んできた汚い首を斬ってやる」と、汚い首に付いた汚い口から腐臭を放つ言葉を投げつけた。
中国政府もこれを諌めるどころか、似たり寄ったりの野蛮醜悪な言動を続けている。
それらは“アジア”に共通した未開で好戦的な政治精神の発露だ。ここで言う“アジア”とは、外交も民主主義も理解しない中国的、アラブ的また日本極右的な勢力の全てである。
そこには無論ロシアも北朝鮮も含まれる。またネタニヤフのイスラエル、エルドアンのトルコもりっぱな、いや、“アジア”以上の“アジア”であることは論を俟たない。
最近そこには信じがたい巨大パワーも加わった。言わずと知れたトランプ主義が席巻するアメリカだ。
日本は一刻も早くそれらの「ああ喚(わめ)けばこう叫んで背中に斬りつける」蛮人連合体から抜け出したほうがいい。
そうしておいて意識改革を断行し、欧州並みの政治文化また文明を獲得する努力をするべきだ。
それにはどうするか。ひとえに過去の蛮行を認めて反省し、被害者の国と国民に腹からの謝罪を行って生まれ変わる以外には方法がない。
僕は再び、再三再四、繰り返し何度でも主張する。ドイツを見習え。イタリアを意識しろ。
僕は11月3日、「高市首相は、独裁者気質のトランプ大統領や、極右とも批判されるここイタリアのメローニ首相もできない急カーブのファシスト街道を走りまくって、すわ!中国と開戦、というゴールに飛び込まないとも限らない」
とここに書いた。
それから4日後の11月7日、高市首相は 台湾有事は日本の「存立危機事態になりうる」と既述のあっと驚く国会発言をかまして、露わすぎるほど露わに自らの本性を激白したのだ。
高市首相の―あえて大げさな意味合いで言うと―中国への宣戦布告じみた日本の存立危機事態発言は、彼女が仲間のネトウヨ人士らとの会合で気勢を上げるノリで口に出したものだろう。
高市首相の先の大戦は侵略戦争ではないに始まる一連の歴史修正主義発言や靖国称揚思想、テレビ局への停波するぞ恫喝などのファシスト気質を知りつつ、また政治信条的にも大いに疑問を抱きつつも僕は密かに彼女の❝化け❞を期待してきた。
ここイタリアのジョルジャ・メローニ首相に重ねて彼女を見ようとしたのだ。
イタリア初の女性首相となったジョルジャ・メローニ氏は、ファシスト党の流れを汲む「イタリアの同胞」を率いて選挙を勝ち抜いた。
ところがメローニ氏は、首相になると同時に険しい表情をゆるめ、極右独特の厳しい言動を控えて、いわば強硬右派とでも呼ばれるべき穏健な道を歩みだした。
高市早苗首相は、たとえ逆さに吊るして振り回しても“極右”という毒素しかこぼれ出ない政治家だが、日本のトップに押し上げられることで政治的にも人間的にも成長するのではないか、と僕は密かに応援する気持ちでもいたのである。
だがそれはしょせん、大いなる無いものねだりだったようだ。
高市首相は彼女の岩盤支持層である日本極右勢力、即ちネトウヨヘイト系差別主義者の国民や自民党安倍礼拝族、また日本会議や国家神道など同じ穴の貉会が一体になった、日本ほぼカルト 勢力に呑み込まれあるいは同調して、結局独自の政治信条も無いままさらに右へと急カーブを切り続け、ついには昏倒する運命であるように見える。
