史上最弱とは言わないが、弱いゆえにつまらない横綱の豊昇龍と、個人的には史上最も魅力のない横綱である大の里に加えて、 一刻も早く大関から陥落して出直してほしい大関琴桜、また様子が良く分からない大関安青錦が 休場している夏場所を、NHKが委託するTooberという得体の知れない有料チャンネルで見ている。
Tooberは良く分からないチャンネルだが、ロンドン発のNHK傘下放送局JSTVが2023年に放送を打ち切って以降、大相撲をほぼ実況中継で見ることができる唯一のサイトなので欠かさずに見ている。
14日目のの解説者は元貴景勝の湊川親方だった。
懇切丁寧で力士へのリスペクトにあふれた湊川親方の解説は、押し相撲正攻法のひたむきな取り口が素晴らしく、強くもあった彼の現役時代の姿を髣髴とさせて大いに好感が持てる。
だが、一点重大な欠陥がある。
それは彼が全ての力士をいちいち~関と敬称を付けて解説を語る点だ。
日本人は最近、敬意や丁寧さを過剰に意識するあまり、例えば「ご遺体」や 「ご人数 」「ご覧になられる」「こちらがメニューのほうになります」「お召し上がりになられます」などなど不要な場面で「ご」や「お」を付けたり、二重敬語になったり、責任逃れを隠したりする表現を多用する傾向が強い。
湊川親方の過剰な丁寧さは、相手を立てようとする意識が強すぎるために、逆に言葉本来の意味や品格を失ってしまう風潮に通底する表現で、滑稽且つうるさいと感じる。
湊川親方らしい力士への敬意に満ちた表現であるのは分かるが、彼が尊敬するべき相手はテレビの視聴者であって“演技者”の力士ではない。
解説者は客観的でなければならない、という意味でも敬称付きの彼の表現はおかしい、とどうしても残念に感じてしまうのは僕だけだろうか。
