
毎年6月2日はイタリアの共和国記念日である。
第2次大戦後の1946年6月2日、イタリアでは国民投票により王国が否定されて、現在の「イタリア共和国」が誕生した。
イタリアが真に近代国家に生まれ変わった日である。
それからちょうど80年の2026年6月2日、イタリア共和国はファシスト党の流れを汲む「イタリアの同胞」を」率いるジョルジャ・メローニ党首を、国のトップに据えている。
就任から間もなく満4年を迎えるメローニ首相は、政権運営の初めから現実路線へとシフトし、反EUと見られていた姿勢も大きく変えて協調政策を採った。
結果、多くの国民に支持され国際的な信頼も勝ち取った。
同時に彼女は、事あるごとにファシズムを否定する言葉を発しつづけ行動で示している。
政敵に「ネオファシスト(新ファシスト)」とも批判されるメローニ首相だが、彼女はファシズムが否定されて誕生したイタリア共和国記念日を大いに祝う。
そのあたりが、過去を直視するどころか、終わった昭和をわざわざ「昭和100年記念」として祝い、戦争の時代へのノスタルジーと賞賛を隠さない高市首相とはひょうたんに釣鐘だ。
過去を見つめ清算するメローニ首相。過去から目を背け歴史修正主義に徹する高市首相。
その違いが戦争をしないイタリアと、戦争に走る日本の未来像にならないことを祈りたい。
世界の主な民主主義国は、日本やイギリスなどを除いて共和国体制を取っている。
民主主義国には共和制が最もふさわしい。
それはここイタリア、またフランスの共和制のことであり、ドイツ連邦やアメリカ合衆国などの制度のことだ。
その制度は「全ての人間は平等に造られている」 という人間存在の真理の上に構築されている。
民主主義を標榜するするそれらの共和国では、主権は国民にあり、その国民によって選ばれた代表によって行使される政治システムが死守されている。
真の民主主義体制では、国家元首を含むあらゆる公職は主権を有する国民の選挙によって選ばれ決定されるべきだ。
つまり国のあらゆる権力や制度は、米独仏伊などのように国民の意志によって創設されるべきだ。
その意味では王を頂く英国と天皇制を維持する日本の民主主義は歪だ。
ここイタリアに居を構える僕は、6月2日のイタリア共和国記念日が訪れる度に、日本が共和国に生まれ変わる日を想像してみたりもする。