meloni背中vsトランプ690

あきれたゴシップの類にも見えるが、実は今このときの世界を映し出す鏡とも考えられるので敢えて書いておくことにした。

エヴィアンサミットの直後、トランプ大統領がイタリアの民放局の電話インタビューに答えた。

Q :サミットではあなたとメローニ首相はずいぶん親密そうでしたね。

トラ:彼女がかわいそうだったから付き合ってあげただけだ。(私は彼女に興味はなったが)彼女は私と話したがり私と一緒に写真を撮ってくれと懇願した。だから並んで写ってあげた。

この話が伝わるや否やメローニ首相は:

「彼の発言は全くの作り話で驚いた。なぜアメリカの大統領が同盟国に対してこのような振る舞いをするのか理解できない。しかも今回が初めてではない。彼がアメリカを含む西側諸国の敵に対して強い抵抗の決意を見せず、むしろそれらの国の指導者たちには寛大な態度でいることは残念だ」とXの動画を介して即座に反論した。

そしてメローニ首相は最後に付け加えた。

「トランプが覚えておくべきことが一つある。私とイタリアは誰に対しても断じて物乞いなどしない」

トランプ大統領の動きの背景にあるのは、言うまでもなく、イタリアがイラン攻撃に向かう米軍機の基地使用を拒否したことだ。

のみならずメローニ首相は、アメリカのイラン攻撃を国際法違反と明確に糾弾している。

またその前にメローに首相は、トランプ大統領のローマ教皇批判は受け入れなられない、と断固として彼に楯ついた。

欧州の外交筋によると、メローニ首相はエヴィアンサミットでもトランプ大統領に対して最も強硬に異議を申し立てた。

強い言葉で欧州の立場を擁護し、トランプ大統領が西側同盟国は彼を助けないというのは虚偽の主張で、同盟国はむしろ彼を、そしてアメリカを支援してきたと明確な言葉で主張した。

メローニ首相はサミットの場のみならず、あらゆる機会を通してトランプ大統領に反論してきた。欧州の首脳らは彼女の影響もあって、徐々にトランプ大統領に楯つくことを怖れなくなっている。

メローニ首相のそうした異議申し立てや、リーダーシップに対する意趣返しがトランプ大統領の見苦しい言葉の数々だ。

メローニ首相はかつて、トランプ大統領の熱心な支持者だった。2025年のトランプ大統領2期目の就任式には、ヨーロッパの指導者のうちただ一人だけ出席したほどだ。

それでも彼女は、トランプ大統領に対して自己主張することを厭わなかった。

エヴィアンサミットでは、トランプ大統領とメローニ首相は親しげに話し合い笑い合っていた。メローニ首相はサミット後、彼女とトランプ大統領の仲は依然として良好だ、とメディアに話したほどだ。

その直後にトランプ大統領の辛らつな言い分が世界中を駆け巡った。

トランプ大統領は、メローニ首相が表明したように、サミットでは親密な素振りを見せていた。しかし内心の怒りは抑え切れなかったらしく、サミット直後に冒頭の主張をしたのである。

トランプ大統領は、「自分は予測不能で時には破滅的な行動も辞さない狂気じみた人物である」と言動で示して、相手に譲歩を迫る高度な心理的駆け引き術を採用しているとされる。いわゆる狂人理論である。

それはかつてニクソン大統領が実践した外交及び交渉戦略術だ。トランプ大統領はその手法を真似ているのである。

だがトランプ大統領の場合は、彼の行き当たりばったりの行動様式や情報のムチャクチャな取捨選択が、“計算された演技”の枠を超えており、彼本来のパーソナリティ障害が災いを成している、と考える専門家が多い。

意図的に過激な言動を繰り返すうちに、演技と本性が不可分に融合してしまい、自身でも抑制がきかなくなったということである。メローニ首相への攻撃の意味がそれで良くわかる同時に、そういう人物が世界最大の、そして最強の国家を運営しているという現実に、今さらながら戦慄するのである。



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