スペインのマヨルカ島にいる。10月5日まで。10日間の滞在は中足骨疲労骨折の療養が目的だ。
7月から8月にかけて日本からの客人のために忙しく動き回った。恐らくそれが原因で右足指が痛み、動けなくなった。
中足骨疲労骨折と診断され、治療を受けて安静にしていた。
ほぼ回復したものの足指のかすかな痛みは続いている。再発に気を付けつつビーチを歩こうと決めて、マヨルカ島の東北部の長大なビーチに来た。
ビーチを歩いての養生というのは医師の勧めではない。そのことを言えば彼は、むしろ行くなと止めたかもしれない。骨折の回復には安静が一番だからだ。
ところが安静にしていると年のせいで足腰が弱くなる。僕はむしろそのことが不安だった。そこで医師には告げずに、マヨルカ島のビーチを歩くと決めたのである。
9月から10月に海に行く場合はほぼ常にエーゲ海の島に行く。近年はエーゲ海最南端のクレタ島に滞在することが多い。
主な理由はクレタ島のビーチが広く長い事である。膝まで海水に浸かりながら歩いたり、沖で泳ぐのが健康に良い、という妻の考えに従って動いている。
僕は最近は海ではほとんど泳がず、半信半疑のままそれでも結構面白がりつつ妻の後ろについてビーチを歩きまわる、ということが多い。
マヨルカ島では、しかし、足の保養という目的があるので真剣に歩いている。
ところがそのウォーキングは、僕にとっては既述のようにケガの回復治癒というよりも、安静中に弱った足腰を鍛え直す、という意識のほうが圧倒的に強い。
マヨルカ島はクレタ島に比べるとかすかに湿気が多い。空港に降り立った瞬間に気づいた。
地中海は東に行くほど気温が高く乾いている。大西洋とアフリカ大陸と中東の砂漠が影響しあって織りなす、大自然の妙だ。
地中海の東部のエーゲ海の、さらに最南端のクレタ島は、11月初めまで乾いた暖かい空気に包まれている。10月の静養地としては従って、エーゲ海のほうがバレアレス海よりも優れている。
敢えて西のマヨルカ島を選んだのは、少し違う旅がしたいという妻の希望があったからである。
その選択は間違っていないと感じる。エーゲ海域よりもかすかに多い湿気は完全に許容範囲だし、気候は十分に暑く、なによりも食事が美味い。
僕は実際に自分が食べ歩いた中での、独断と偏見による世界の食ランキングを主張している。
それは美味しい順に、「日本料理、イタリア料理、中華料理、トルコ料理、スペイン料理、ポルトガル食、ギリシャ料理、フランス料理」である。
今回のマヨルカ島での食事体験で、スペイン料理とトルコ料理の順番を入れ替えようかとさえ考えている。
島の名物の豚肉料理は、フレンチの影響を強く受けたカタルーニャ料理の、そのまた影響でソースが濃い難点が無くもないが、魚介類が秀逸なのである。
僕のランク付けは日本食、イタメシ、中華料理までの三大料理は常に変わらない。だがそれ以外の食は、旅をするごとに結構順位が入れ替わったりする。
いい加減なものだ。
だが、実は結構こだわっている思案でもある。
