トランプ大統領はサッカーのワールドカップ予選で敗退したイタリアを、彼が戦争を仕掛けて紛争継続中のイランに代えて出場させるよう、FIFA(国際サッカー連盟) のジャンニ・インファンティーノ会長に要請した。
大統領の配下で、国際パートナーシップ担当特使という肩書きのパオロ・ザンポッリ氏が語った。
イタリアはW杯4回優勝の強豪国だが、今回を含めて過去3回の大会で予選落ちをしている。イタリアはそのことで悲嘆に暮れている。
従ってトランプ大統領の思いつきを喜ぶかと見えたが、事実は逆である。
メローニ首相は「イランに代わってイタリアが出場するというトランプ大統領の提案は不適切です。出場権はピッチ上で勝ち取るものであり政治が介入してはならない。イタリアはW杯で4度優勝しています。ルールに従ってプレーします」と明言した。
ジョルジェティ経済財務大臣ほかのメローニ政権の閣僚らは、トランプ大統領の申し出はイタリアに対する侮辱だとさえ表明した。
また有力新聞のひとつは「われわれはイランの抑圧的な政権には一ミリの共感も抱いていない。しかしイランのナショナルチームはピッチで正当に戦ってW杯への出場権を得た。彼らは何があっても大会に出場するべきだ」と書いた。
イタリア共和国中がトランプ大統領の提案に呆れ、怒っている。
僕はイタリア国民のその真っ当な心意気に感じ入っている。
トランプ大統領の独善的な、奇妙な申し出には裏がある。
トランプ大統領は最近、盟友と見做していたメローニ首相にイラン戦争を反対され、米軍機のイタリア基地使用さえ拒否された。
のみならずメローニ首相は、アメリカとイスラエルのイラン攻撃を国際法違反だと声高に指弾している。
またトランプ大統領は、ローマ教皇レオ14世とも険悪な中になっている。バチカンを抱くイタリア国民は、大統領による教皇批判に激しく反発。親米感情が雲散霧消したようだ。
トランプ大統領は、メローニ首相と仲直りし、世界的な影響力を持つ教皇レオ14世とも関係を修復したい。
その思惑があっての発案だと考えられる。
しかしこれまでのところ彼の目論見 ははずれて総スカン状態になっている。
僕は密かに快哉を叫びたい気分だと告白する。



















