大相撲のロンドン公演をテレビ観戦(YouTube)した。
もう少しまともな取り組みかと思ったが、子供だましの闘いの連続だったのでがっかりした。
ケガでもしたら割りに合わないとでも思うのだろう、立ち合いのぶちかましはほとんどなく、示し合わせた動きにさえ見える立ち合いに終始した。
物言いを含む本場所での全ての要素と動きとルールを紹介するのが主目的の公演だから、取り組みの本気度は二の次なのだろうが、本場所の迫力を知る者には物足りなかった。
もっとはっきり言えば立ち合いは全て茶番にしか見えなかった。
それでも過去の海外公演や巡業に比べたらまだ見るに堪えるものだった。
いつの、どの海外公演か巡業かは記憶が判然としないが、土俵上で恥ずかしげもなく飛んだり跳ねたりする取り組みを見た覚えがある。
明らかにプロレスを意識したパフォーマンスだったから、ラスベガスかニューヨーク、あるいはハワイなど、アメリカでの猿芝居だったと思う。
取り組みそのものはそんな具合に残念な内容ではあるものの、しかし、力士、行司、審判などの多くのスタッフと、重さ6トン余りの屋形まで持ちこんでの公演は外観上は充分に見応えがあった。
BBCがインターネットで公演をライブ配信し約2万7千枚のチケットも完売。会場となった有名演劇場「ロイヤル・アルバート・ホール」には連日「満員御礼」の垂れ幕が下がった。
大相撲の宣伝を兼ねた「海外ショー」と考えれば取り組みが真剣味に欠けたものであっても仕方がないのかもしれない。
が、宣伝だからこそ大相撲の神髄である取り組みは飽くまでも真剣であるべき、という考えもある。僕は後者の立場だ。
大相撲の弟子集めが狙いなら、取り組みは否応なく真剣にならざるを得ない。
大相撲に入門する若者はハングリー精神に満ちている。ハングリー精神が旺盛でなければそもそも大相撲などに入らない。
欧州の裕福な国々の若者は、ケツ丸出しの褌が仕事着である大相撲などには気を惹かれない。英仏独伊を始めとする欧州のリッチな国出身の力士はいない。
大相撲に入ってくるのは、欧米では経済的に貧しい国や地域の出身者だ。つまり、例えばロシアやブルガリアやジョージア、また今が旬の安青錦 を輩出したウクライナなどの若者だ。
それらの国や地域で大相撲公演をする場合は必ず真剣勝負になる。
一方で大相撲の喧伝が主な目的ならショーの側面を強調するのは正しい。なぜならBBCを始めとする世界のトップメディアを抱える英国のPR発信力はすさまじい。
取り組みを見世物に仕立てて多くの人の目を惹きつけたほうが得策だ。
僕はロンドン場所の取り組みを見ながら、多くの観客に真剣な闘いを見せれば、大相撲の喧伝と同時に入門者の促進にも資することになるだろうに、もったいない、などとも考え続けた。












